2005年の豚肉価格、第2四半期以降軟化基調に ● 中国


2006年の豚飼養頭数は前年比3.7%増の5億2千万頭の見込み

 米国農務省(USDA)によると、中国の2006年末における豚飼養頭数は、近年の目覚しい経済発展による豚肉需要の増大や堅調な豚肉価格を反映して、前年比3.7%増の5億1千9百万頭になると予測されている。また、豚と畜頭数は同5.9%増の6億9千2百万頭、豚肉生産量も同4.0%増の5億9百万トンへそれぞれ増加するとしている。

 中国の養豚産業は近年、海外の優れた遺伝資源を導入した品種改良および効率的な飼養管理技術の普及により安定的な増産体制が整いつつあると言われ、2006年の総飼養頭数に占める繁殖雌豚の割合は2005年よりやや高い8.8%と予想されている。また、養豚の主要地域である湖南省、河南省、山東省および河北省の2005年の総飼養頭数に占める繁殖雌豚の割合はそれぞれ、10.0%、11.8%、11.6%および11.4%と従来の8.0%から増加しており、近年の力強い豚の生産状況を裏付けるものとなっている。


2006年の豚肉消費、前年比4.0%増の5千万トン

 USDAによると、2006年の中国の豚肉消費量は前年比4.0%増の5千40万トンに達する見込みである。同国においては、近年加速する近代化や食生活の向上に伴い食肉消費が伸びているが、その中でも豚肉は低所得者層の動物たんぱく源として最も安価で重要な食肉となっている。

 USDAの調査によると、同国における食文化の歴史から、豚肉の消費は主に同国北部および中部地方に偏りがみられるとされ、また、北部地方の消費者は冷蔵、冷凍豚肉を、中部地方の消費者は加工品を特に好む傾向が強いとされている。


本年第2四半期から豚肉価格は軟化基調に

 一方、2005年第1四半期の豚肉のキログラム当たりの小売価格は、前年同期比13.5%高とかなり大きく上昇した。近年の中国では、高水準の経済発展に伴い水道、電力、輸送および家畜衛生などの生産コストが上昇している。さらに、一般的に春節(旧正月)をはじめとした祝祭期間である第1四半期の豚肉価格は高騰する傾向がある。

 しかし、豚と畜頭数が増加傾向にあることに加え、近年続く穀物の豊産による飼料価格の低下および大豆・大豆かす輸入の増大などの影響で、第2四半期を含む上半期の小売価格の伸び率は前年同期比7.0%高の1.63ドル(約186円:1ドル=114円)と第1四半期と比較するとほぼ半減している。こうしたことから、USDAは、2005年後半の豚肉価格はさらに軟化基調で推移すると予想している。


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