米国、世界の飼料穀物需給


◇絵でみる需給動向◇

● ● ● 米国のトウモロコシ作柄は前年を7ポイント下回る見込み ● ● ●

 米国農務省(USDA)が8月に公表した米国の飼料穀物需給予測によると、米国の2005年のトウモロコシ生産量は、前月予測から1,100万トン、2004年から3,700万トン下回る2億6,300万トンへ修正された。平均単収は、前年の1エーカー当たり160.4ブッシェルに対し、現在のところ、139.2ブッシェルと見込まれている。作柄は、記録的な昨年に比べ4ポイント低下しているとのことであり、米国全体で見ると、調査対象州33のうち、29において、去年より低く見込まれている。これは、生育期の気候が乾燥したことによるとのことで、最も大きな減少が見られる州は、ミズーリ、イリノイそしてカンザスとのことである。作付面積と受粉面積は、それぞれ8,100万エーカーと7,440万エーカーで、前月予測と同じとのことである。これは、2004年と比べ、それぞれ1%上昇している。


● ● ● 米国のトウモロコシ価格は上昇傾向 ● ● ●

 米国の2005/06年度のトウモロコシ生産者価格は、生産量の減少に伴い、前月予測したブッシェル当たり平均1.70〜2.10米ドル(204〜252円、1米ドル=120円)から平均1.80〜2.20米ドル(216〜264円)へ修正された。これは、前月予測から10セント(12円)上昇している。なお、2004/05年度の平均生産者価格は、ブッシェル当たり2.07米ドル(248円)と見込まれている。


● ● ● 世界の2005/06年度の穀物期末在庫は減少 ● ● ●

 世界の2005/06年度穀物期末在庫は前月予測から、大きく800万トン減少し、1億4,400万トンへ修正された。最も大きく減少する国は、米国(900万トン)とEU25カ国(150万トン)とのことである。注目すべき国は中国で、2004/05年度トウモロコシの生産量は、前月予測から200万トン増加し1億3,000万トンへ、また、輸出量は、前月予測から100万トン増加し700万トンへ修正された。


● ● ● 力強い中南米地域のトウモロコシ需要 ● ● ●

 中南米地域のトウモロコシ需要量は、ブラジルとアルゼンチンに引っ張られる形で、過去5年間で17%も伸びているとのことである。ブラジルの需要増は、豚と鶏の飼養頭羽数が急激に増加したためであり、この需要増は、世界でも類がないとのことである。また、アルゼンチンの需要量は、2001/02年度の財政危機以降、回復しており、鶏肉、牛肉そして生乳生産量の増加を背景に、来年の飼料用トウモロコシについても、8.5%もの成長が見込まれているとのことである。ブラジルとアルゼンチンに加え、コロンビア、ペルー、エルサルバドルそしてエクアドルにおいても、飼料用穀物需要の増加が見込まれており、このことは、ブラジルとアルゼンチンからの輸出量を減少させ、他地域からの輸入増を招くことになるとしている。

中南米におけるトウモロコシ需要量

飼料穀物需給表

 


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