豪州政府、米国向け牛肉の関税割当枠配分方法を変更


実績を基礎にした配分から、先着順に変更

 豪州連邦政府マクゴラン農相は3日、米国向け牛肉輸出に関する関税割当枠の配分方法の変更を発表した。この変更の目的は、すべての牛肉輸出業者に輸出機会を与えることによって輸出量の増加を図ることにある。豪州は現在、米国向けに378,214トン(船積みベース)の牛肉輸出の関税割当枠を持つが、関税割当枠に達したのは2001年と2002年にすぎない。配分方法の変更内容は次のとおり。なお、この新しいシステムは2006年1月から実施される予定である。

・過去の対米牛肉輸出実績を基に輸出業者に対し関税割当枠を配分する方法から、輸出貨物ごとに発行される証明書ベースによる先着順で配分する方法に変更。

・新たな配分方法には例外措置が設けられ、輸出数量が暦年ベースで10月1日までに関税割当枠の85%を超えた場合は、残りの15%は、過去2年間の米国への輸出実績を基に各輸出業者に対し比例配分する。配分を受けた輸出業者は、これを他の輸出業者に売買することが出来る。例外措置の設定は、大手輸出業者の関税割当枠独占を回避するためである。

・10月1日までに輸出数量が関税割当枠の85%に達しない場合は、引き続き先着順になる。


関税割当枠は2007年まで未消化が続くと予測

 豪州から米国への牛肉輸出は、2005年1月からの両国間のFTA協定の発効で、関税割当枠内の関税はゼロになり、枠内数量も漸増し、2007年には2万トン増え398,214トン、さらに、2004年の関税割当枠から18年かけて7万トン増加されることとなっている。

 しかし、マクゴラン農相は、2005〜2007年にかけての米国向け牛肉輸出量は、関税割当枠に満たないと予測している。2005年の米国への牛肉輸出量は8月1日時点で、16万9千トンと関税割当枠の45%に過ぎない。特に7月の輸出量は、降雨の後の肉牛の供給が著しく落ち込み、6月に比べ30%減、前年同月比でも17%減の26,582トンにとどまった。2005年の残りの期間について、MLAでは、2006年から始まる新たな配分方式が実績に基づくものでなくなった結果、米国への牛肉輸出意欲が減少する傾向も出てくるものとみている。


◎フォンテラ、NZDFから国内向けアンカーブランド買い戻しへ

 NZ大手乳業会社フォンテラは8日、同社と国内乳業メーカー第2位のNZデイリーフーズ(NZDF)が、双方の事業の一部の交換に合意したと発表した。合意内容は、

・フォンテラは、NZDFから「アンカー」ブランドの国内向け使用権を取得、併せて「アンカー・ミルク」、「フレッシュン・フルーティヨーグルト」などの生産部門を譲り受ける。なお、国内向けチーズ製品に使用される「アンカー」ブランドは、今後10年間NZDFが使用可能。全体の取得金額は、7億5,400万NZドル(595億6,600万円、1NZドル=79円)。

・NZDFは、フォンテラから「メドウ・フレッシュ」ブランドの飲料およびヨーグルト部門、「キューイ・ミーツ」事業などを取得する。取得金額は、4億1,600万NZドル(328億6,400万円)。

 フォンテラは2001年の設立時に、国内市場の独占を避けるため、保有する「アンカー」ブランドの使用権のうち、国内向け商品に関する使用権のみをNZDFに売却しなければならなかった。今回の合意についてフォンテラは、「アンカー」ブランドの国内使用権を買い戻すことで内外のブランドを統一することができ、これによって輸出拡大が期待できるとともに、ヨーグルト事業の拡充が見込めるなどと述べている。



元のページに戻る