牛肉などの輸入増大 タイでは高まる牛肉需要に対応するため、周辺国からの生体牛の輸入が増加しており、同国の関税局公表による2004年の生体牛輸入額(CIF価格)は6億2,400万バーツ(16億8,500万円:1バーツ=2.7円)と、前年に比べ42%の増加となった。畜産開発局(DLD)の説明によると、輸入生体牛の平均価格は1頭約3万バーツ(約8万1千円)とされることから、およそ2万頭の生体牛が正式な手続きを経て輸入されたことになる。相手国として、国境を接する周辺国からその大半が輸入されており、特にミャンマーを経由するインド方面からの輸入が急増しており、2005年上半期で見ると全体の9割を超えている。 国内肉牛生産振興対策政府は従来から、熱帯気候への適応性の高い品種の開発などにより肉牛生産振興を図っているが、今のところその多くは品種としての能力を安定させるための牛群造成の途上であるため、民間による飼養は限定的である。現在政府および関連研究機関が開発しているものとしては北部ターク牛、ガビン牛、中部のカセサート大学を中心に奨励されているカンペンセン牛などが挙げられる。これらはブラーマンやシャロレー、シンメンタール、在来牛などを交配したもので、これらの奨励交雑種の主要改良目標は増体能力、産肉能力、飼料効率などであり、脂肪交雑など肉質に関する目標は設定されていない。 品質評価基準策定の動き 東南アジア地域では近年日本食がブームであり、巨大市場であるバンコク市などを中心に、和牛肉などの高品質牛肉に対する関心から需要が増大している。しかし、これらの品質を評価する基準については大学などの研究機関による評価基準策定へ向けた基礎調査が開始されているものの、DLDでは今のところ公式な策定をしていない。そのため、仮に生産者が高品質牛肉を生産できたとしても、高値では販売し難い状況にある。現在流通している高品質牛肉のほとんどは豪州などで生産された輸入品であり、日本からの牛肉輸入はBSE発生のため停止されている。 |
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