牛飼養頭数が10年ぶりに増加


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 総飼養頭数、子牛生産頭数、10年ぶりに増加に転じる ● ● ●

 米国農務省(USDA)が発表した牛の飼養動向調査によると、2005年7月1日現在における牛の総飼養頭数は、前年を0.9%上回る1億450万頭となった。7月1日現在の飼養頭数としては、95年の1億1,130万頭をピークに減少していたが、今回10年ぶりに増加した。また、2005年の年間を通じた子牛生産頭数も3,780万頭と牛飼養頭数同様、10年ぶりに前年を上回るものと予測している。

 なお、子牛生産頭数を上・下半期別にみると、95年は上半期のシェアが73.4%、下半期のシェアが26.6%であったが、2004年はそれぞれ72.8%、27.2%となっており、春子牛生産が主体となる季節繁殖の構造には、ほとんど変化がみられていない。

● ● ● 更新用肉用未経産牛は2年連続で増加 ● ● ●

 飼養頭数の内訳を見ると、牛群再構築の指標となる繁殖雌牛は、肉用、乳用の合計で前年比0.7%増の4,280万頭となった。また、未経産牛については、同1.6%増の1,620万頭となった。その内訳をみると更新用肉用牛が前年比4.2%増の500万頭、更新用乳用牛が同2.8%増の370万頭、その他が同0.7%減の750万頭となり、更新用肉用未経産牛および更新用乳用牛は2年連続の増加となった。

 これは、98年から2004年にかけて毎年、報告されてきた干ばつの影響から脱却し、草地の状態が回復してきたことに加え、素牛価格が高水準で推移していることを反映しているものと考えられる。

子牛生産頭数の推移



牛の総飼養頭数


 

● ● ● 雌牛と畜頭数もかなりの程度減少 ● ● ●

 2005年上半期のと畜頭数は、前年同期比で3.2%減少したが、その内訳をみると、去勢牛が前年同期比0.6%増となったのに対して、逆に雌牛は同7.2%減少した。さらに雌牛を区分別にみると、肉用経産牛のと畜頭数は125万5千頭と前年同期比で8.1%減少したのをはじめ、乳用経産牛のそれが112万3千頭、同5.4%減となっている。また、未経産牛のと畜頭数も494万6千頭と前年同期比で7.3%減少しており、生産者の雌牛の保留意欲が高まっていることを裏付ける結果となっている。


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