ブロイラーの生体重量は増加傾向


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 第1四半期の生産量は前年比4.1%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年上半期(1〜6月)のブロイラー生産量(可食処理ベース)は前年同期比4.8%増の790万6千トンとなり、国内需要の高まりを受け過去最高となった2004年の水準をさらに上回って推移している。

 これは、2005年上半期のと鳥羽数が前年同期比1.9%増の44億441万羽となったことに加え、1羽当たりの平均生体重量も2.42キログラムと同2.0%増となっていることがその要因として挙げられる。

1羽当たり生体重量の推移

資料:USDA/NASS 「Broiler Slaughter」

● ● ● ブロイラーは大型化志向 ● ● ●

 1羽当たりの平均生体重量の増加は、大型ブロイラーのシェアが拡大していることによる。USDAは毎週、ブロイラーの連邦検査と鳥羽数についてその生体重量別に以下の3区分に分類して暫定値として公表している。これは、(1)ファーストフードおよび外食産業に一般的に仕向けられる1.91キログラム以下の小型ブロイラー、(2)小売りに一般的に仕向けられる1.92〜2.38キログラムの中型ブロイラー、(3)加工用および大型ローストチキン用に仕向けられる2.39キログラム以上の大型ブロイラー−に分類されている(重量別に区分され公表されるのは、連邦検査と鳥羽数全体の5〜6割に相当する)。

 これによれば、加工用の大型ブロイラーのシェアは、2001年の42.7%から2005年(1月から7月第4週まで、以下同じ。)の51.9%へと大幅に増加している。また、ファーストフードなどへ仕向けられる小型ブロイラーは、2001年の30.3%から2005年の27.8%へとそのシェアは減少しているものの、中型ブロイラーの落ち込みがもっとも激しい。

 すなわち、小売り用の中型ブロイラーは、2001年の26.9%から2005年には20.3%とそのシェアを大幅に落としており、食の外部化が一層進んだことを反映したものとなっている。

 また、チキンナゲットや冷凍食品などの骨なしむね肉を利用した加工製品への需要の高まりを反映して、よりむね肉の多いブロイラーへの改良などにより、加工が容易で、しかも、歩留りの高いブロイラーを得るため、より大型化を志向している結果と考えられる。

生体重量別ブロイラー処理羽数シェアの推移

資料:USDA/AMS 「USDA Broiler Market Repor」



年別・生体重量別と鳥羽数の推移

資料:USDA/NASS 「USDA Broiler Market Report」
注1:週単位の集計羽数であり、年によって稼働日などが違うことに留意する必要がある。
注2:2005年7月は第4週までの集計である。


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