2005年上半期の生乳生産量は増加


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 生産量は前年同期を2.6%上回る ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年上半期(1〜6月)の生乳生産量は、4,031万3千トンと前年同期を2.6%上回った。全米の生乳生産量の約7割を占める主要10州では、同3.2%増の2,876万4千トンとなり、ニューメキシコ州(7位)を除く9州で前年同期を上回り、2004年の高い収益性を背景とした強い生産意欲が反映された結果となっている。米国の約2割を生産する全米第一位のカリフォルニア州は前年同期比3.3%増の853万1千トン、これに次ぐウィスコンシン州では同2.1%増の515万5千トンとなった。また、アイダホ州(5位)は前年同期比10.5%増の221万8千トンとなった。アイダホ州は94年以降、大規模酪農経営の増加に加え、良好な粗飼料供給基盤を背景に、生乳生産量は高い伸び率を維持している。

 一方、伝統的な酪農地域のニューヨーク州(3位)およびペンシルバニア州(4位)でもそれぞれ同2.4%、3.4%増となった。

上位10州2004年上半期の州別生乳生産量


● ● ● BSTによる1頭当たり乳量が増加 ● ● ●

 生乳生産量の増加の要因は、2005年上半期の平均経産牛飼養頭数が前年同期比0.2%増の901万6千頭となったこともあるが、1頭当たり泌乳量が同2.4%増の4,471キログラムとなったことが大きい。1頭当たり泌乳量は、5月には786キログラムと前年同月を3.7%上回ったのをはじめ、6月も753キログラムと同4.6%増となった。

 これは、2004年に牛成長ホルモン(BST)の供給業者であるモンサント社がBSTの供給制限を行い、昨年3月から11月のまでの間は、生産者が通常使用する量の約半分程度の割り当てしかなかったことや新規需要者には割り当てされなかったことが大きく影響している。しかし、BSTの供給制限も緩和され、生産者の増産意欲とあいまって、2005年5月以降の使用が増加しているものと見込まれる。

 USDAによると、2005年の生乳生産量は、史上最高であった昨年をわずかに上回るとものと予想している。

1頭当たり乳量の推移


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