と畜頭数増加から肥育豚価格下落


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● と畜頭数の増加傾向が継続 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年上半期(1〜6月)の豚と畜頭数は前年同期比0.2%増の5,056万頭と4期連続で前年同期を上回った。また、2005年上半期の枝肉生産量は、と畜頭数の増加に加えて、1頭当たり枝肉重量も増加したことから前年同期比1.3%増の460万8千トンとなった。

 2005年第2四半期(6月1日現在)の豚の総飼養頭数は、前年同期比0.2%増の6,081万2千頭、中でも繁殖豚(雄を含む)は、前年同期比0.7%増の597万7千頭となっており、今後とも豚肉生産量はわずかに増加するものと見込まれている。

と畜頭数の推移


資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Situation and Outlook」


● ● ● 肥育豚価格、卸売価格急落も小売価格は堅調 ● ● ●

 肥育豚価格(生体重換算、全米平均取引価格)は、2005年5月に100ポンド当たり55.4ドル(キログラム当たり138円:1ドル=113円)と2003年3月以来26カ月ぶりに前年同月を下回った。さらに、6月の肥育豚価格は100ポンド当たり49.9ドル(キログラム当たり124円)と前年同月比14.0%安となり、14カ月ぶりに50ドルの大台を下回った。

 豚肉生産量の増加に加えて、国内需要の減少と在庫増が影響し、豚肉卸売価格(カットアウトバリュー)も下落傾向で推移しており、6月の豚肉卸売価格は、100ポンド当たり66.5ドル(キログラム当たり166円)と前年同月比17.6%安となり、3カ月連続で前年同月を下回った。

 このように肥育豚価格および卸売価格が下落傾向で推移する中にあって、豚肉の小売価格は堅調に推移している。6月の豚肉小売価格(平均)は、前年同月比1.1%高の286.0セント/ポンド(キログラム当たり712円)となり、24カ月連続で前年同月を上回って推移している。USDAは、この高水準で推移する小売価格について、豚肉需給を反映したものでなく、一部の小売業者が現在記録的な高水準で推移している牛肉価格とのバランスを考えて豚肉の小売価格を設定する傾向にあることが影響していると分析している。

豚肉小売価格の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Situation and Outlook」

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