● ● ● 肉牛市場取引価格は、ここ三年来で最安値 ● ● ● 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)が発表する肉牛取引の指標となる東部地区若齢牛指標価格(EYCI)によると、干ばつによる放牧条件の悪化と飼料価格の高騰により、肉牛の市場出荷頭数は増加していることから、取引価格はここ三年来の最安値にある。10月は、本年1月から2割程度下落しており、米国でのBSE発生により豪州産牛肉需要が高まる前の2003年との比較でも1割程度の下落となっている。 EYCIと一日当たりの取引頭数
|
資料:MLA |
一方、干ばつによりフィードロット生産への影響について、飼料価格の上昇が大きな懸念材料となっている。豪州穀物協会(GCA)によれば、2006/07年度(7月〜翌年6月)冬穀物生産量は、前年度を6割程度下回る大幅な減産が予測され小麦価格については、現在、前年同時期の二倍近いとしている。このため、仕向け先の変更や収容頭数の削減などの動きも出始めている。
今後の干ばつの状況について豪州気象局(BOM)によると、豪州全土の10月の降雨量は、例年を2割程度下回っている。特に主要肉牛生産地域の一つであるビクトリア州では、1987以来過去二番目の少雨を記録している。
BOMが発表した向こう3カ月間(11〜1月)の短期予報では、豪州最大の肉牛生産地域であるクイーンズランド(QLD)州、また、ニューサウスウェールズ(NSW)州の天候は、例年に比べて乾燥気候が続くとの予報が出されている。中でも肉牛生産の盛んなNSW州の東部およびQLD州南東部における降雨量が例年水準を超える確率は、30%〜40%程度としている。このため、引き続き60〜70%の高い確率で干ばつとなる可能性が見通されており、厳しい状況が報告されている。
元のページに戻る