2006年のEU主要国の牛飼養頭数は引き続き減少見込み


◇絵でみる需給動向◇


 EU25カ国の牛飼養頭数は、乳用種の泌乳量の増大などで減少傾向にあり、2005年まで10年連続で減少している。今般、牛の飼養規模においてEUの上位3カ国であるフランス、ドイツおよびイギリスの2006年の牛飼養頭数がそれぞれの関係機関から公表された。当該3カ国の牛飼養頭数の合計はEU全体のほぼ5割を占めており、今回の公表結果によるといずれも減少が予測されていることから、2006年もEUの牛飼養頭数は前年を割り込む可能性が高くなった。


● ● ● 域内最大の牛飼養国フランスはほぼ横ばいの見込み ● ● ●

 フランス農業漁業省統計局(AGRESTE)はこのほど、2006年のフランスの牛飼養頭数(5月時点)の速報値を公表した。これによると、2006年は前年比0.5%減の1,926万頭と、前年をわずかに減少した。区分別に見ると、乳用経産牛が前年比1.8%減の367万頭となるのをはじめとして、2歳以上の牛が同1.7%減の257万頭、また、1歳未満の子牛が同0.2%減の525万頭と大宗で減少した。

 しかし、一方では、飼養頭数の約半数を占める肉用牛において、経産牛および2歳以上の未経産牛は逆に増加したことから、2007年の同国の飼養頭数は、横ばいで推移するものとAGRESTEは予測している。

フランスの牛飼養頭数(5月時点)

資料:AGRESTE


● ● ● 飼養頭数第2位のドイツ、減少傾向が鮮明に ● ● ●

 一方、ドイツ市場価格情報センター(ZMP)によると、牛飼養頭数が域内で第2位のドイツは、2006年は前年比2.0%減の1,278万頭(5月時点)と、フランスと同様に減少している。区分別に見ると、1〜2歳の雄牛を除きすべての分野で減少したが、特に、乳用経産牛が同2.8%減の412万頭、肉用経産牛が同3.4%減の64万頭と繁殖部門がいずれも減少すると見込まれていることから、同国の牛飼養頭数の減少傾向は今後も続く可能性が高い。

ドイツの牛飼養頭数(5月時点)

資料:ZMP


● ● ● 第3位のイギリスも、前年比2.2%減と減少が続く見込み ● ● ●

 また、イギリスにおける2006年の牛飼養頭数についても、イギリス環境・食糧・農村地域省(DEFRA)によると、同2.2%減の1,017万頭(6月時点)と減少している。同国も、繁殖雄牛を除く全ての区分で減少しており、今後も飼養頭数の減少が続くものと思われる。

イギリスの牛飼養頭数(6月時点)

資料:DEFRA


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