2006年の輸出量は増加の見込み


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 主要仕向け先の輸入解禁に伴い、輸出量は増加の見込み ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2006年8月の牛肉輸出量は前年同月比の約2倍に当たる4万9千トンとなった。これは、米国産牛肉の主要仕向け先で、輸入解禁が進んでいるためとされている。2006年2月にはメキシコが30カ月齢以下の牛由来の骨付き牛肉を、7月には日本が20カ月齢以下の牛由来の牛肉を、9月には韓国が30カ月齢以下の牛由来の骨なし牛肉を、今月にはコロンビアおよびペルーがそれぞれ牛肉の輸入再開を決定した。

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)によると、2006年の輸出量は主要仕向け先の輸入解禁に伴い、前年比67%増の52万3千トン、2007年は同30%増の68万トンに増加することが予測されている。しかし、世界全体に占める米国の輸出シェアを見ると、2002年には全体の約5分の1を占めていたのに対し、2007年はその半分の9%にとどまると見込まれている。

主要国の牛肉輸出量の推移

資料:USDA/FAS
 注:2006年は見込み、2007年は予備値

● ● ● ブラジル産の輸出シェア、2006年には27.8%まで増加 ● ● ●

 2003年のBSE発生以降、米国産が輸出量を大幅に落とした一方で、競合する輸出国は輸出量を大きく伸ばした。USDA/FASによると、2003〜2006年の3年間にブラジルは65.5%、豪州は12.3%、アルゼンチンは29.5%それぞれ輸出量の増加が見込まれており、経済成長が著しいロシア向けなどを中心に、世界全体の牛肉輸出量は右肩上がりで推移している。輸出シェアで見ると、ブラジルは2003年の18.5%から、2006年には9.3ポイント増の27.8%まで拡大するなど2004年以降世界最大の牛肉輸出国になっている。また、豪州も19.9%から0.4ポイント増の20.3%、アルゼンチンは6.1%から1.0ポイント増の7.1%になると予測されている。

 なお、2006年の世界の牛肉消費量は前年比1.5%増の5,151万トンとやや増加するとされており、中でも消費量第2位の中国と第4位のアルゼンチンの伸び率が、それぞれ同5.5%増、同6.6%増となったことが全体量に寄与すると見込まれている。


元のページに戻る