EUの豚飼養頭数、2006年も減少傾向が続く見込み


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2006年4〜6月期の豚飼養頭数、近年と同様に減少傾向 ● ● ●

 イギリス食肉家畜委員会(MLC)はこのほど、2006年4〜6月期におけるEUの主要国の豚飼養頭数を公表した。今回発表されたのは、EU15カ国の中ではドイツ、スペイン、フランスなどの10カ国、また、2004年5月にEUに加盟した新規加盟国(NMS)10カ国の中ではポーランド、ハンガリーおよびチェコの3カ国にとどまったが、その中には養豚主要国がすべて網羅されており、両地域における飼養頭数の9割程度を占めていることから、近い将来のEUの養豚産業の動向を見る上では十分に参考になるものとなっている。

 MLCは、すべての国の数値が出そろっていないとしながらも、EUの豚飼養頭数が減少する近年の傾向は続くものと分析している。


● ● ● 最も大きい増加率を示し存在感を増すポーランド ● ● ●

 今回公表された13カ国の中で、前年と比較して増加するとされたのは3カ国のみで、EU15カ国の中で豚飼養頭数が2番目に多いスペインが前年比0.3%増の2,507万頭、8番目のイギリスが同1.7%増の495万頭となっており、NMSでは、地域内で最も飼養頭数が多く、かつ、EU25カ国の中でも3番目にランクされるポーランドが同7.1%増の1,821万頭となっている。

 この中で最も大きい増加率を示したポーランドについて見ると、将来の豚飼養動向を左右する繁殖豚が前年比5.9%増の187万頭と、イギリス(同1.5%増)とともに増加を示している。近い将来にと畜に仕向けられるその他および20キログラム以下の子豚もそれぞれ、同6.9%増の1,004万頭、同8.3%増の595万頭とほとんどの国々が減少するのとは対照的にかなりの程度増加し、同国がEUの豚肉生産量の増加をけん引する傾向は続くものと思われる。


● ● ● 2006年のと畜予測は、同水準ながら微増の見込み ● ● ●

 なお、MLCは同時に豚と畜頭数の予測も行っており、それによると、2006年のEU25カ国の豚と畜頭数は前年比0.3%増の2億4,449万頭と、前年よりわずかに増加する見込みとなった。MLCは、この主因をポーランド、エストニア、ラトビアおよびリトアニアといったNMSにおける豚肉需要の増大によるものとしており、一方、EU15カ国で見ると、と畜頭数は同0.3%減の2億591万頭と逆に減少するとしている。

EUの豚飼養頭数(2006年4〜6月調査)

資料:MLC


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