2007年の豚肉生産量も増加の見通し


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 輸出需要の増加で、豚肉生産量は増加傾向で推移 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2006年10月の豚肉生産量は前年同月比5.4%増の86万8千トンでやや増加となった。2006年の豚肉生産量は輸出需要の高まりを背景に増加傾向で推移している。特に、メキシコ、韓国、ロシアでの引き合いが強く、メキシコではソーセージの原料として、また韓国では牛肉の代替として豚肉に需要が集まっている。そのためUSDAは、2006年の生産量を前年比1.7%増の953万9千トンと見込んでいる。さらに、2007年の豚肉輸出量も引き続き増加するものと見込んでいる。

 また、9月に発表された豚飼養動向調査によると、2006年第1〜3四半期の繁殖豚飼養頭数はそれぞれ前年を上回って推移していることから、2007年の豚肉生産量も前年比3.9%増の991万1千トンが予測されている。

米国の豚肉需要見込み

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
 注:2006年は見込み 2007年は予測値

四半期ごとの繁殖豚飼養頭数の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」


● ● ● 供給量過多で、2006年上半期の小売価格は低調に推移 ● ● ●

 USDAによると、2006年前半の豚肉小売価格は、豚肉生産量の増加に加え、牛肉や鶏肉などの供給量も前年に比べて増加したことから前年を下回って推移した。2006年1〜10月の豚肉生産量が前年同期比1.9%増だったのに対し、牛肉、鶏肉はそれぞれ同6.1%増、同2.6%増とそれを上回っている。

 しかし、2006年7月以降、小売価格はやや上向き始め、同年8月は前年同月比1.0%増のポンド当たり285セント(キログラム当たり747円:1ドル=119円)となった。USDAによれば、2007年は一人当たりの豚肉消費量が回復することが見込まれている。また、小売価格はポンド当たり270〜280セント(キログラム当たり708円〜735円)で推移すると予測されている。

小売価格の推移


資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」

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