2005/06年度の生乳生産、前年度割れの見通し


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 生乳生産、前年度割れの見通し ● ● ●

 デイリーオーストラリア(DA)によると、2006年3月の生乳生産量は、前年同月を6.2%下回る72万9千キロリットルとなった。主要酪農地域での少雨による放牧への影響から、これまで、2005年11月から5カ月連続して、前年同月を下回っている。3月の生乳生産量を州別にみると、豪州の生乳生産量の65%を占めるビクトリア州が前年同月比8.9%の減少となるなど、タスマニア州を除いた全州で前年割れとなっている。

 2005/06年度の生乳生産について、第3四半期までの累計(2005年7月〜2006年3月)をみると、前年同期を0.7%下回る815万9千キロリットルとなっている。第4四半期の生産量は、冬場から増加が望めず、DAによると、2005/06年度の生産量は、前年度をわずかに下回る1,000万キロリットルと見込まれている。

生乳生産量(前年比)の推移

資料:DA


● ● ● 乳製品の生産量に影響も ● ● ●

 生乳生産量の減少に伴い乳製品の生産量も、一部を除き、前年水準を下回って推移している。特に、3月のバター(バターオイル含む)、脱脂粉乳の生産量は、それぞれ前年同月比22.6%減の8千トン、同32.9%減の9千トンと大幅に減少した。

 2005/06年度の第3四半期(2006年1〜3月)の乳製品生産量をみると、すべての品目で前年同期を下回っており、特にチーズやバターなどの落ち込みが目立っている。また、第3四半期までの累計(2005年7月〜2006年3月)でも、脱脂粉乳を除き、いずれの品目も減少している。

主要乳製品の生産量

 資料:DA
 注:バターは、バターオイルを含む。


● ● ● 国際市場での価格下げ圧力から輸出額は減少 ● ● ●

 乳製品の生産量が減少傾向で推移する中、2005/06年度第3四半期までの乳製品総輸出量は、前年同期を1.6%上回る65万3千トンと堅調さを維持している。しかし一方で、乳製品輸出額は前年同期比7.0%減の17億5,942万豪ドル(1,531億円:1豪ドル=87円)と、減少に転じている。乳製品の国際市場では、高騰を続けた乳製品に対して、価格への下げ圧力がかかり始めており、これが輸出額を減少させる要因の一つとなっている。豪州国内の乳業メーカーは、生乳生産量が伸び悩む中で、生乳供給量の確保を図るための乳価の引き上げなどを行っており、輸出価格の低下が今後、どのように影響するのか注目される。

乳製品輸出量と輸出額の累計(7〜3月計)

資料:DA
注:バターは、バターオイルを含む。


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