軟調な卸売価格で、2006年第1四半期の輸出量も好調に推移


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2006年第1四半期の豚肉輸出量は前年同期比22.2%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2006年第1四半期の輸出量は、前年同期比22.2%増の34万9千トンで、昨年に引き続き好調さを維持している。仕向け先別に見ると、仕向け先第1位である日本は在庫の積み増しなどから、同7.8%減の12万1千トンとなったが、その他の国向けは軒並み増加となり、特にロシア向けは、ブラジルでの口蹄疫発生でブラジル産の輸入が禁止されている影響などから昨年に比べて2倍以上の伸びの2万トンとなった。

 近年の豚肉輸出量の大幅な増加を反映して、生産量の輸出に仕向けられる割合が高まりつつある。生産量に占める輸出量の割合は、2001年の8.1%から2005年の12.9%まで増加し、さらに2006年は13.8%に上昇すると予測されている。USDAはその理由として、生産量の増加に伴う卸売価格の下落や、米国産豚肉の輸出にとって有利な為替レートが続いていること、BSEや鳥インフルエンザなどの家畜疾病の発生などで米国産豚肉の需要が高まっていることなどを挙げている。

生産量に占める輸出量の割合(%)の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注:2006年は予測値


● ● ● カナダからの生体豚輸入頭数、前年同期比12.5%増 ● ● ●

 USDAによると、生体豚輸入の大部分を占めるカナダからの2006年第1四半期の輸入頭数は、前年同期比12.5%増の213万2千頭とかなり大きく増加した。内訳を見ると、今後の豚肉生産量の基礎となる50キログラム未満の子豚のシェアが、前年同期比2.7ポイント増の69.9%となった。カナダドルが高値で推移していることで、国際市場におけるカナダ産豚肉の競争力を低下させているため、処理コストが低い米国への生体豚輸出量が増加しているとみられる。


● ● ● 卸売価格、生産量の増加から軟調に推移 ● ● ●

 このように、好調な輸出需要などを反映して、豚肉生産量は増加傾向で推移している。2006年5月の豚肉生産量も前年同月比6.5%増の77万8千トンとなっている(左図参照)。これを受けて、2006年5月の豚肉卸売価格(カットアウトバリュー)は、前年同月比8.8%安の100ポンド当たり69ドル(キログラム当たり172円:1ドル=113円)で、2005年4月以降、14カ月連続して前年同月を下回るなど軟調に推移している。

豚肉卸売価格(カットアウトバリュー)の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
 


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