過去最高値の豚生産者販売価格マレーシアにおいては、豚の生産者販売価格が上昇し、年初には100キログラム当たり570リンギ(1万8千円:1リンギ=31円)だったものが、4月には過去最高の660リンギ(2万円)となった。価格上昇の原因は、1月に発生した口蹄疫に加えて、2月に再発した鳥インフルエンザによって鶏肉から豚肉への代替需要が発生した上に、最近においては、環境問題が原因による農場閉鎖が発生し、さらに供給が減少したためとされている。流通加工業者の団体である豚肉取扱業者連盟(PTF)は、このままでは取引の縮小によって経営が成り立たないとし、価格見直しの必要性をアピールするために、豚肉を使って粽(ちまき)を作る風習のある5月末の端午の節句に向けて、ストライキを計画したが、最終的には生産販売価格を640リンギ(2万円)以下に抑えることで妥協が成立し、ストライキは回避された。 豚肉小売業者も悲鳴豚の生産者販売価格の上昇の影響は、小売業者にも重くのしかかった。小売業者の仲買人からの100キログラム当たりの仕入れ価格は690リンギ(2万1千円)で、と畜と輸送にかかる費用を加えると少なくとも723リンギ(2万2千円)となるが、顧客の買い控えを恐れ、仕入れ価格の上昇をそのまま小売価格に転嫁できないため、小売業者の収益が悪化したとしていた。小売業者は、この状況をアピールするため、4月中旬に首都クアラルンプールの複数のウェットマーケットでストを決行し、一時的に豚肉の販売を中止した。なお、この行動には、セランゴール州とクアラルンプールの食肉協会の会長も参加した。
|
元のページに戻る