2006年第1四半期における豚肉生産量は増加 ● フィリピン


降雨量に恵まれ作物部門は増加

 フィリピン農務省農業経済局(BAS)は5月10日、2006年第1四半期(1〜3月)の農業統計を公表した。農業部門全体の生産量は、前年同期比3.9%増となり、干ばつや台風などの影響を受け同0.6%増と過去4年で最も低成長であった前年同期に比べ好転した。2006年第1四半期の生産量が増加した要因として、農業総生産の約半分を占める作物部門が好調であったことが挙げられる。

 昨年、天候不順により大きな影響を受けたトウモロコシの2006年第1四半期生産量は約153万トンで前年同期より22.1%増加、米(もみ米)の生産量は約362万トンで同6.9%増加している。トウモロコシについてはハイブリッド品種の利用増加、米(もみ米)についてはかんがい施設の整備の拡充に加えて十分な降雨量に恵まれたことが生産量の増加要因としている。


豚肉は昨年に引き続き増加

 畜産部門(牛肉、豚肉、水牛肉、ヤギ肉、乳製品)の生産量は前年同期比2.2%増となり、同0.2%増であった前年同期の生産量を上回った。家畜の中でも同国で消費の多い豚肉の生産量は同3.4%増の45万トンで前年同期に引き続き増加、ヤギ肉は同2.2%増の1万8千トン、乳製品は同4.3%増の3千トンと増加したが、水牛肉は同6.1%減の2万8千トン、牛肉は同3.6%減の5万6千トンとなり、生産量は前年同期に引き続き減少している。堅調な豚肉の生産増により畜産部門全体では前年同期を上回る結果となった。

 一方で、家きん部門(鶏肉、アヒル肉、鶏卵、アヒル卵)の生産量は同3.7%の減少となった。特に、鶏肉の生産量の減少が大きく影響しており、堅調な伸びを示していた前年同期とは対照的に2006年第1四半期の生産量は同4.9%減の31万6千トンとなり、約1万6千トン減少している。家きん部門の中では鶏卵の生産量のみが前年同期を上回り、同2.3%増の7万8千トンとなった。


豚肉の農家販売価格は下落

 平均農家販売価格については、農業部門全体で前年同期比6.7%上昇した。作物部門は同11.9%の上昇を示しており、特に、トウモロコシは生産量が大幅に伸びたにもかかわらずキログラム当たり9.7ペソ(約20円:1ペソ2.1円)と同20.3%上昇した。これについては、トウモロコシの国際相場による影響が大きいとしている。

 畜産部門は、生産量が増加した豚肉がキログラム当たり69.2ペソ(約147円)と前年同期より約6%下回ったが、そのほかの品目については以下同様に、水牛肉が同8.8%増の53.6ペソ(約114円)、牛肉が同2.3%増の67.6ペソ(約143円)と前年同期を上回った。家きん部門については、鶏肉が同2.3%増の65.7ペソ(約139円)、鶏卵が同5.2%増の67.3ペソ(約143円)となった。

第1四半期農産物生産量 


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