高水準で推移するフィードロット飼養頭数


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2006年4月のフィードロット飼養頭数は、前年同月比8.7%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2006年4月の全米フィードロットの飼養頭数は、前年同月比8.7%増の1,181万2千頭となった。過去最高を記録した2月の1,211万頭には及ばないものの、依然として高水準を維持している。これは、冬季の降水量が少なかったことによる牧草地の状態悪化から、フィードロットへの出荷が早められ、2005年9月以降前年同月を上回る頭数がフィードロットへ導入されていることなどが要因となっている。

 USDAが毎週公表している「Weekly Weather and Crop Bulletin」によると、2006年5月1週目時点で、米国の中でも放牧地の多いカンザス、オクラホマ、テキサス州の3州における牧草地の状態は、昨年同時期に比べて、やや不良・不良の状態が大幅に増加している。特にテキサス州で、やや不良・不良の割合が前年の21%から2006年は52%になるなど31ポイントも増加しており、南平原を中心に深刻な状況が続いている。したがって、今後もフィードロットへの導入は、体重の軽い肥育素牛を中心にして、しばらく高水準で推移すると見込まれている。

過去10年におけるフィードロッド飼養頭数の推移

資料:USDA
   「Livestock, Dairy and Poultry Situation and Outlook」

牧草地の状態

資料:USDA「Weekly Weather and Crop Bulletin」
注:各年5月の第1週目


● ● ● フィードロット飼養頭数増で、肥育牛価格は下落へ ● ● ●

 フィードロット飼養頭数の増加を受けて、肥育牛価格は2006年1月以降低下傾向で推移しており、同年4月の肥育牛価格は、前年同月比17.6%減の100ポンド当たり82.4ドル(209円/キログラム:1ドル=115円)となった。また、同年同月の牛肉卸売価格(チョイス級、枝肉550〜700ポンド)も、同10.1%減の100ポンド当たり141.5ドル(約359円/キログラム)となるなど、牛肉の引き合いは弱まっている。USDAによると牛肉に加え、豚肉、鶏肉などほかの食肉の供給量も増加していることなども、価格低下要因の一つとなっている。

● ● ● 肥育素牛価格は前年同月比2.1%減 ● ● ●

 高値で推移していた肥育素牛価格だが、フィードロットへの導入頭数増加や、穀物価格の上昇、肥育牛価格の下落などが影響し、2006年4月は前年同月比2.1%減の100ポンド当たり122.8ドル(約311円/キログラム)となった。

肥育牛と肥育素牛価格の推移

資料:USDA
   「Livestock, Dairy and Poultry Situation and Outlook」


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