ブロイラー生産は引き続き7千万羽台で推移


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● ブロイラー生産量は引き続き7千万羽台で推移 ● ● ●

 タイ農業・協同組合省によると、ブロイラーの生産量は、昨年6月以降、7千万羽台で推移し、1月の生産量は前年比54%増の7千8百万羽となった。これは、2004年1月に鳥インフルエンザ(AI)の発生が確認されて以来、最も高い生産量である。

 ブロイラー生産を支えるひなふ化羽数も前年比54%増の8千2百万羽となり、ブロイラー同様にAI発生以来、2年ぶりに8千万羽台を回復する高水準となった。

 卸売価格(生体)については、生産量が増加しているものの、前年より15%高い34.05バーツ/キログラムとなった。

卸売価格と生産量

資料:生産量は農業経済局、卸売価格は商務省国内取引局

● ● ● 2006年1月の種鶏輸入量は大きく減少 ● ● ●

 農業経済局が取りまとめた2006年1月の種鶏輸入量は、グランドペアレントストック(GP)が前年比92%減の約1千羽、ペアレントストック(PS)が前年比14%減の15万2千羽と前年に比べ大きく減少した。

 また、GPとPSの合計では、30万7千羽となった先月よりも約50%の大幅な減少となった。

 今年に入ってから、タイの種鶏輸入量の8割を占めるEU諸国でのAI発生が報告されているが、4月下旬に、輸入量全体の4割弱を占める英国においてAI発生が報告されたことから、今後の動向が注目されている。

種鶏輸入羽数

資料:農業経済局


● ● ● ACMECS会議の開催 ● ● ●

 5月8日にバンコクにおいて、*ACMECS(イラワジ=チャオプラヤ=メコン経済協力戦略)会議が開催され、ACMECS加盟国(タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマーおよびベトナム)の代表者および国連食料農業機関(FAO)、国際獣疫事務局(OIE)、世界保健機関(WHO)、アジア開発銀行(ADB)、国連開発計画(UNDP)ほかの国際機関代表者により鳥インフルエンザのまん延阻止について協議が行われた。

 本会議は、昨年11月にも開催され農産物栽培協定などのほかAI対策が議論されたが、今回は特にAI対策に焦点を絞って開催され、タイ政府による情報交換や薬品の研究・分析など公衆衛生面での各国への協力計画案が提示され、国家レベル、地方レベルでの監視・検査体制の強化、発生時における効率的な準備計画の重要性が強調された。


※ACMECS(イラワジ=チャオプラヤ=メコン経済協力戦略):タイ主導により加盟国間の開発格差の縮小および所得向上を目指して設立された南南協力体制。


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