順調な収量が見込まれる南米の大豆生産


◇絵でみる需給動向◇

● ● ● 良好な生育環境がブラジル単収量を引き上げる ● ● ●

 米国農務省(USDA)の発表によると、ブラジルの2005/06年度における大豆収穫面積は前年を4%下回る2,210万ヘクタールであるが、単収は、1ヘクタール当たり2.58トンと増加したことから、生産量は記録的となる5,700万トンが見込まれている。

 2005/06年度における大豆作付面積は、主として、国際相場の下落と自国通貨高などによる、生産者の経営収支の悪化から、7年ぶりの減少が見込まれており、ブラジル農務省は、来年も減少すると見込んでいる。

 今年の生育期(2005年10月/2006年3月)における天候は、昨年よりも降雨量が多く、良好であった。そのため、昨年は、干ばつと熱波により影響を受けた主要生産地は、今年は、打って変わり、単収量を引き上げているとしている。

ブラジルの大豆生産量と単収

資料:USDA:FAS


● ● ● アルゼンチンの収穫は記録的な水準 ● ● ●

 米国農務省(USDA)の発表によると、アルゼンチンの2005/06年度における大豆収穫面積は1,520万ヘクタール、生産量は4,050万トンとなり、それぞれ記録的な水準が見込まれている。また、単収は、1ヘクタール当たり2.66トンと、ここ5年間の平均並みを見込んでいる。大豆の作付けは、トウモロコシより遅れて行われ、その生育期に、トウモロコシが受けた霜、乾燥、熱波といった天候による影響をほとんど受けなかったとしている。

 ブエノスアイレス北部の農場を例にすると、土地使用料と収穫作業料を除いたヘクタール当たりの生産コストは、トウモロコシ222米ドル(25,530円:1米ドル=115円)、小麦167米ドル(19,205円)、菜種112米ドル(12,880円)、大豆(1回目)117米ドル(13,455円)、大豆(2回目)81米ドル(9,315円)となり、生産者は、トウモロコシや小麦と比較して施肥量の少ない大豆に魅力を感じているとしている。

 また、大豆耕作地拡大の背景には、生育期間が短く二毛作を可能にするバイオテクノロジーの発達、不耕起農法といった素地があるとのことで、増加している耕作地にあって、大豆は、全体の57パーセントを占めている。

アルゼンチンの大豆生産量と単収

資料:USDA:FAS


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