生産性の向上から、2006年第1四半期の豚肉生産量は前年同期比3.6%増


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2006年第1四半期の豚飼養頭数は前年同期比0.7%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)が四半期ごとに公表する豚飼養動向調査によると、2006年第1四半期(3月1日現在)の豚総飼養頭数は、前年同期比0.7%増の6,010万4千頭となった。飼養区分別にみると、繁殖豚(雄を含む)は同1.4%増の602万5千頭、肥育豚も同0.6%増で5,407万9千頭と緩やかな増加となっている。

 なお、2006年第1四半期の子豚生産頭数は、前年同期比1.2%増の2,565万4千頭で、これまでの第1四半期の中で過去最高の水準を記録した。

豚飼養頭数の推移

資料:USDA「Quarterly Hogs and Pigs」


● ● ● 拡大する豚肉生産量 ● ● ●

 安定的な飼養頭数の増加を背景に豚肉生産量は拡大傾向にあり、2005年は前年比0.8%増の938万2千トン、2006年第1四半期の豚肉生産量は前年同期比3.6%増の241万5千トンとなった。

 USDAによると、これは、(1)カナダ産の肥育素豚の輸入増加、(2)トウモロコシや大豆といった飼料価格が軟調に推移していることでと畜時生体重が増加していること、(3)一腹当たりの子豚産子数が増加基調にあること−などが要因とされている。第1四半期(2005年12月〜2006年2月)の繁殖用雌豚1頭当たりの平均産子数は9.03で、10年前の8.40と比べると7.5%の伸び率となるなど生産性は向上しており、これが生産量の増加を後押ししている。なお、2006年の豚肉生産量は、前年比3.1%増の967万3千トンとさらに増加するものと見込まれている。


資料:USDA「Livestock, Dairy, and Poultry Outlook」
注:飼養頭数は、各年3月1日現在
注:2006年の枝肉生産量は予測値

一腹当たりの子豚産子数の推移

資料:USDA「Quarterly Hogs and Pigs」


● ● ● 2006年の生体豚輸入は増加の見込み ● ● ●

 米国の生体豚輸入の99%をカナダ産が占めている。USDAによると、2005年のカナダ産生体豚輸入量に占める肥育向け子豚の割合は約66.1%を占めたが、2006年はそれを上回ると見込んでいる。

 なお、カナダ国際貿易裁定委員会(CITT)は4月18日、米国産トウモロコシに対して暫定的に課していたアンチダンピング関税および相殺関税の撤回を決定した。これは、マニトバ州トウモロコシ生産者協会(MCGA)などが、補助金を受けた米国産トウモロコシがダンピング輸入されているとの申し立てに基づき、12月15日から暫定的にアンチダンピング関税(58米セント/ブッシェル)および相殺関税(1.07米ドル/ブッシェル)を適用していたものである。今回の決定により、暫定的に徴収されていた関税相当額は返済されることとなる。


元のページに戻る