ブラジル、鳥インフルエンザ予防計画を発表


大統領出席の下、鳥インフルエンザ予防計画を発表

 ブラジル農務省(MAPA)は4月7日、大統領出席の下、全国鳥インフルエンザ予防ならびにニューカッスル病管理・予防計画(2006年4月7日付け訓令第17号)を発表した(同予防計画については、計画案の合意(海外駐在員情報第703号)やパブリックコメントの開始(海外駐在員情報第711号)を参照)。本予防計画の発表の場において、ルーラ大統領は「われわれはこのために活動していることを強調することが重要である」と述べ、またロドリゲス農相は「ブラジルは鳥インフルエンザ発生国から地理的に離れていることから、今年中にブラジル国内において鳥インフルエンザが発生することはないと考えられる。しかし、最も重要なことは、鳥インフルエンザなどの発生に対応できる国内体制を整えたことである」と述べた。本予防計画への参加は州政府の任意であることから、各州が本予防計画に参加するように政府首脳はこのような呼びかけを行っている。


州間移動については一定の条件の下で許可

 本予防計画では、家きんおよび卵の州間移動について一定の条件を付している。

(1)マイコプラズマおよびサルモネラがフリーである証明を有する施設に由来すること

(2)移動許可証(GTA)は、MAPAが認定する獣医師が発行すること

(3)MAPA農牧防疫局家畜衛生部(DSA)の定める日以降は、出荷する州は鳥インフルエンザおよびニューカッスル病がフリーであること

(4)連邦政府が監視する食鳥処理場に移動させること

(5)本予防計画に参加した州政府は、食鳥処理のための州間移動の禁止措置を採ることを認めるが(ア)、(イ)に従うこと
(ア)州政府は、食鳥処理のための州間移動の禁止措置を実行するための作業と監視手順について、DSAの承認を事前に求めること
(イ)食鳥処理のための州間移動の禁止措置は、州政府間の衛生ステータスおよび家畜防疫業務レベルが異なる場合にのみ有効であること

(6)ふん、敷床、ふ化場および食鳥処理場の廃棄物の州間移動は原則禁止されること

(7)鳥インフルエンザまたはニューカッスル病が発生した場合、清浄化活動が終了するまでは、血清検査により陰性であることを確認した後、GTAを発行すること


民間団体は地域別の衛生ステータスの確立につながることを期待

 これまで民間団体は、食鳥処理のための州間移動の即刻禁止などを要望してきたが、本予防計画の発表を受け、ブラジル鶏肉輸出業者協会(ABEF)のゴンサルべス会長は「発表された予防計画はわれわれが期待したものではない。しかし、地域別の衛生ステータスを確立するための仕組みを作ったことは、評価すべきである」と述べ、また大手食肉会社のサジィア社のムラト理事は「地域別の衛生ステータスの確立は、疾病による業界に対する影響を最小限にするためには不可欠な仕組みである」と述べるなど、今後、本予防計画により地域別の衛生ステータスが確立されることを期待しているとみられる。


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