おう盛な取引が見込まれる米国のトウモロコシ貿易


◇絵でみる需給動向◇

● ● ● 歴代二番目の豊作が見通される米国のトウモロコシ生産 ● ● ●

 米国農務省(USDA)が9月に公表した飼料穀物需給予測によると、米国における2006/07年度(9月〜翌年8月)のトウモロコシ生産量は、前月予測を350万6千トン上回る2億8,230万3千トンと上方修正された。この生産量は、前年度を4万3千トン上回り、記録的であった一昨年に次ぐ生産量となる。USDAによると、生産量の増加要因としては、単収の増加を挙げている。作付面積は、昨年度を2.9%下回る3,213万ヘクタールに減少しているが、単収は、一昨年に記録した1ヘクタール当たり10.06トンに次いで同9.56トンが見通されている。

米国トウモロコシの作付面積と単収

資料:USDA/ERS


● ● ● 米国の需要量はさらに拡大し、過去最大の見通し ● ● ●

 USDAによると、米国における2006/07年度の消費量は、記録的であった前年度を6.5%上回る2億4,550万3千トンとしている。また、2006/07年度の輸出量は、米国以外の穀物生産国で、粗粒穀物や飼料用小麦生産の減少が見込まれることから、前年度を1.8%上回る5,700万トンとしている。

 この結果、米国における同年度の期末在庫量は3,100万1千トンとなり、前年度を39.3%下回る大幅な減少が見込まれている。


● ● ● おう盛な取引が見込まれる米国のトウモロコシ貿易 ● ● ●

 USDAによると、2006/07年度の米国トウモロコシ輸出量は、アルゼンチン、中国、ブラジルといった主要輸出国が振るわないことに加え、国際需要が引き続き堅調であることから、増加することが見込まれている。中国では豊作となる一方、急成長する畜産業や工業向け需要、また、所得の伸びとともに食生活の洋風化から、畜産物の消費量が急拡大しており、トウモロコシ需要の伸びが見込まれている。このため、在庫量は減少する一方、輸出量は、5年前の水準の四分の一程度になるとしている。ブラジルでは、強い国内需要から輸出量は減少傾向で推移するとしており、アルゼンチンでは、生産量の増加が見込まれる一方、新穀は来年3月に収穫されるまで出回らないため、当面、需給に影響を与えない。

 これらのことから、米国における2006/07年度(10月〜翌年9月)のトウモロコシ輸出量は、過去10年間において記録的な数量が見込まれるとしている。

主要国におけるトウモロコシ輸出量

資料:USDA/ERS


元のページに戻る