● ● ● 酪農家戸数は8千戸台に、前年を約400戸下回る ● ● ●
デイリー・オーストラリア(DA)によると、2006年6月時点における酪農家戸数(速報ベース)は、前年比4%減、戸数にして399戸下回る8,844戸となった。特に、西オーストラリア州では、干ばつによる飼養環境の悪化や東部州に比べて乳価が低いことから離農する酪農家が多く、前年を12%下回った。
豪州の酪農家戸数は、小規模経営の酪農家を中心に、一貫して減少を続けており、80年には22,000戸あったものが、この20年間で半分以下となっている。2004年6月時点では、大規模な干ばつの影響から1,000戸以上の酪農家が廃業したことで、前年を10%も下回るなど、大きな減少を記録した。DAによれば、今回の減少率4%については、2004/05年度の減少率と同率であることもあり、例年並みの水準とみている。
● ● ● 生乳獲得競争から、前年度を5%も上回る記録的な乳価 ● ● ●
酪農家戸数が減少して推移する中、2005/06年度(7〜6月)の生乳生産者に対する支払い乳価(速報値)は、前年度を5%上回り、乳固形分ベースでキログラム当たり4.50豪ドル(405円:1豪ドル=90円)、生乳1リットル当たり33.1豪セント(約30円)となった。これは、2001/02年度の記録的な乳価である乳固形分ベースでキログラム当たり4.47豪ドル(402円)、生乳1リットル当たり33.0豪セント(約30円)を上回っている。
DAは支払い乳価上昇の要因について、豪州の生乳生産量が伸び悩む中にあって、この2年間の乳製品国際価格の上昇を追い風に、乳業各社の獲得競争に拍車がかかったことによるものとしている。
生産者支払乳価(乳固形分ベース)
|
資料:DA |
|
● ● ● 牛乳消費量は2%の伸び ● ● ●
豪州国内の需給動向に目を向けると、2005/06年度(7〜6月)の飲用牛乳などの消費量(速報値)は、前年度比2%増の2,065千キロリットルとなった。特に、脂肪率を1〜2%に抑えた部分脱脂乳(Reduced
Fat Milk)は、前年度比5%増と高い伸びをみせており、これにロングライフミルク(UHT Milk)の同3%増、チョコレートやイチゴ味を施したフレーバー牛乳(Fresh
Flavoured Milk)の同2%増が続いている。ロングライフミルクの伸びは、スーパーマーケットによる販売促進の結果とされている。なお、消費量全体の54%を占める普通牛乳(Full
Cream Milk)は、同1%増とわずかながらも増加をみせている。
豪州における牛乳消費量は、人口の増加などを背景に、79/80年度以降からおおむね右肩上がりの推移を続けている。
飲用牛乳等の消費量
|
資料:DA |
|
|