中東や東欧への牛肉輸出が拡大
ブラジルの牛肉および鶏肉輸出について、それぞれの関係団体から2006年の輸出見通しが公表されたので、これまでの輸出状況とともに報告する。
ブラジル開発商工省貿易局(SECEX)によると、牛肉について、2006年の輸出量(1月〜7月、枝肉ベース)は113.5万トンであり、前年同期に比べわずかな増加(2.7%増)であるが、生鮮肉および加工肉とも輸出単価が上昇しているため、輸出額は19.7億ドル(2,344億円、1ドル=119円)とかなり増加(15.6%増)している。
これについて、ブラジル牛肉輸出業協会(ABIEC)プラチニ会長は「口蹄疫の発生に伴い牛肉輸出が停止していたが、ロシア向けの牛肉輸出が再開した。また、エジプト、サウジアラビアなどの中東、ルーマニア、ウクライナなどの東欧などに向けた生鮮肉の輸出が伸びている」と述べている。これまでブラジル生鮮肉の最大の輸出相手国は*1ロシアであったが、2006年の7月までの累計ではエジプトが第1位となっている。
このような状況からABIECは2006年の牛肉輸出について、輸出量は前年(2005年185.7万トン)に比べ3〜5%増加し、輸出額(同29.4億ドル)は15〜20%増加すると見通している。
*1ロシアは2005年10月の口蹄疫発生に伴い、発生州および隣接州からの牛肉輸入を停止していたが、2006年4月以降、隣接州からの輸出を順に再開していると伝えられている。
2006年の牛肉輸出
2006年の輸出単価
需要の減退により鶏肉輸出は減少
SECEXによると、鶏肉について、2006年の輸出量(1月〜7月、骨付きベース)は136.3万トンであり、前年同期に比べかなり減少(13.2%減)する一方、輸出単価はほぼ同じであることから、輸出額は15.3億ドル(1,820億円)とかなり減少(12.8%減)している。
このように、鳥インフルエンザ発生による鶏肉輸入国における需要の減退が続いていることから、ブラジル鶏肉輸出業者協会(ABEF)は2006年の鶏肉輸出について、輸出量244.6万トン(2005年276.2万トン、11.4%減)、輸出額28.62億ドル(同33.24億ドル、13.9%減)と見通している。
また、ブラジル農務省の発表によると、本年7月に発表されたリオグランデドスル州におけるニューカッスル病については、発生農場でのおとりヒナを用いた検査では、ウイルスは確認されず、また監視区域(発生地から半径10キロメートル以内)の家きん飼養施設における異常は確認されていない。
2006年の鶏肉輸出
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