米国畜産関係者は、韓国の米国産牛肉輸入再開決定を歓迎


 ジョハンズ米農務長官は9月7日、韓国が、米国内の36カ所の食肉処理施設においてと畜された30カ月齢未満の骨なし牛肉の輸入再開を認めると決定したことを発表した。これを受けて、米国内の畜産関係団体や食肉処理業者は相次いで声明を公表し、この結果を評価するとともに、韓国向け輸出への期待感を示した。また、米国農務省(USDA)は同月12日に公表した農産物の需給見通しにおいて、韓国市場の再開の効果を織り込み、2006年および2007年における牛肉の輸出予測数量を上方修正した。


全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)は輸入再開を歓迎するも骨付き牛肉の禁輸に不満

 NCBAのグレッグ・ダウド首席エコノミストは、韓国の牛肉輸入再開について、議会や政府関係者のこれまでの取り組みに謝意を示すとともに、世界最高の安全管理システムの下で生産される米国産牛肉が韓国の消費者から熱い支持を受けることを確信しているとするなど、韓国向けの牛肉輸出が回復することに強い期待を示した。その一方で、これまで韓国向け輸出の約半分を占めてきた骨付き牛肉や内臓肉などが引き続き輸入禁止とされていることについて、今回の決定は科学的原則に基づく正常な貿易状態の回復に向けたはじめの一歩でしかなく、正当な理由なしに輸入禁止が行われることは受け入れ難いとの不満を表明した。


米国食肉輸出連合会(USMEF)は消費者の信頼確保に向けた努力の姿勢を強調

 USMEFのフィリップ・セング会長は、今回の輸入再開が韓国政府による安全性確保システムの確認を経て行われたことを強調するとともに、輸出禁止の期間はBSEのリスクを最小にするための米国の取り組みを一層確実なものにし、韓国の消費者に完璧かつ安全な牛肉を届ける上で意味のある期間であったと述べた。また、米国食肉業界は韓国の消費者が安全で高品質な米国産牛肉を信頼して楽しめるよう引き続き最善を尽くすとし、消費者の信頼確保に向けた継続的な取り組みの必要性をにじませた。

 また、米国最大手の食肉処理業者であるタイソンフーズ社は、韓国への牛肉輸出の再開決定を受け、まずは韓国への輸出要件についてUSDAに最終確認する必要があるとしながらも、これまで同社にとって3番目に大きな牛肉輸出先であった韓国市場への再参入に強い期待感を示した。


USDAは牛肉の輸出予測数量を上方修正

 USDAは9月12日、月例の農産物需給予測を公表し、2006年の牛肉の総輸出量について前月予測値を1.8%上回る11億2,300万ポンド(約50万9千トン)とするとともに、2007年についても15億ポンド(約68万トン)と前月予測値を8.3%上方に修正した。

 これについて、USDAは、カナダおよびメキシコ市場への輸出が好調を維持していることに加え、韓国市場への骨なし牛肉の輸出再開が決定されたことが上方修正の要因であるとしている。


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