大手食品各社による鶏肉調整品の年間輸出量見込みは30万トンに


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 生産量は4カ月続けて減少 ● ● ●

 タイ農業・協同組合省農業経済局によると、5月のブロイラー生産量は前年同月比12%減の6千1百万羽となった。ブロイラー生産量は、2006年1月には7千8百万羽となり、2005年の生産量平均値6千7百万羽を大幅に上回ったものの、2月以降4カ月続けて前月を下回っており、5月の生産量は1月と比較すると1千7百万羽減少している。

 同省発表による5月のひなふ化羽数は、同12%減の6千4百万羽となった。ひなふ化羽数も、ブロイラー生産量と同様に2006年2月以降4カ月続けて前月を下回っている。

図1 ひなふ化羽数

   資料:農業・協同組合省農業経済局

● ● ● ひな生産者販売価格は大幅に下落 ● ● ●

 タイ商務省発表による5月の卸売価格(生体)は、前年同月比1%高のキログラム当たり30.5バーツとなった。2月以降はキログラム当たり20バーツ台半ばで推移し、3カ月続けて下落したが、5月は再び同30バーツの水準に戻した。

  また、タイ農業・協同組合省農業経済局発表による5月のひな生産者販売価格は、前年同月比36%安の1羽当たり8.5バーツとなった。2005年9月および10月には、過去10年間で最高水準の1羽当たり15.3バーツとなり、その後も同13バーツ前後を維持していたが、3月に前年同月比40%安の1羽当たり6.7バーツ、4月に同39%高の同16.5バーツになるなど、3月以降ひな生産者販売価格は乱高下している。

 同省発表による5月のブロイラー生産者販売価格は、同11%安のキログラム当たり33.9バーツとなった。生産者販売価格は、2005年4月から9月までは、同37バーツ前後で推移してきた。11月以降は生産者販売価格が若干下がったものの、同34バーツ前後で推移している。

図2 生産者販売価格の推移

資料:タイ農業・協同組合省

● ● ● 種鶏輸入量は大幅に減少 ● ● ●

 同省が取りまとめた5月の種鶏輸入量は、グランドペアレントストック(GP)が同83%減の約8千羽、ペアレントストック(PS)が同84%減の約2万羽となり、いずれも先月に引き続き大幅に減少した。種鶏輸入量は、2005年10月が27万3千羽、同11月は39万6千羽、さらに同12月が30万7千羽となり、いずれも過去1年間の輸入数量の平均を大きく上回ったものの、2006年1月以降は減少傾向を示している。3月の輸入量は7万3千羽となり25カ月ぶりに10万羽を下回り、5月のGPとPSの合計は2万8千羽となった。

● ● ● 鶏肉調製品輸出は引き続き堅調に増加 ● ● ●

 5月の鶏肉調製品の輸出量は、同13%増の約2万1千トンとなった。

 主な輸出国別では、日本は同4%増の約1万トン、英国は同42%増の約7千トン、オランダが同2%増の約1千トンとなった。2006年1月から5月までのシェア別でみると、日本向けが45%、英国向けが33%、オランダ向けが9%となり、これらの国でおおむね9割を占めている。

 タイ農業・協同組合省は、2006年第1四半期における鶏肉調製品の輸出が好調であったことから、2006年の年間輸出量は35万トンに達するとしていたが、CPF社、サファ・ファーム社などの大手食品各社は、年間輸出量が30万トン程度にとどまるとの見通しを示している。

 それによれば、年間輸出見込量35万トンの数値がもともと過大であったほか、これ以上の生産拡大が難しいことなどをその理由としている。ちなみに、2005年における鶏肉調製品の輸出実績は約23万6千トンであった。  


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