● ● ● 上半期、輸出量増も輸出総額は減少 ● ● ● 米国農務省(USDA)によると、2006年上半期のブロイラー輸出量は、前年同期を3.3%上回る119万6千トンとなった。鳥インフルエンザによる世界的な需要減退にもかかわらず増加した主な要因は、上半期において、ブロイラー卸売価格が前年を10〜20%下回る低価格で推移し、輸出価格においても価格競争面で優位性が発揮されたためとされている。四半期別に見ると、第1四半期は前年同期比11.5%増の60万7千トンとなったが、4月以降、低迷していた鶏肉価格がわずかながら回復基調に乗ったことから、価格の上昇に反応した香港/中国、メキシコ向けの輸出量が減少した。このため、第2四半期の輸出量は前年同期と比べ2万4千トン減少したが、第1四半期の安定した実績がこれを相殺した形となった。 図1 ブロイラー輸出量の推移
● ● ● 主要輸出相手国向け輸出量は前年同期を大幅に上回る ● ● ● 上半期の輸出量の増加には、香港/中国、ロシアおよびメキシコ向けの増加が貢献をしている。特に香港/中国向けは、主要都市における順調な鶏肉消費量拡大を背景に、前年同期比89.7%増の15万2千トンとなった。メキシコ向けは、同8.2%増の12万1千トンとなったが、これについてUSDAは、相対的に低価格のブロイラーが、用途によっては七面鳥の代用品として輸入されていたのではないかとの見解を示している。ロシア向けの輸出量は昨年12月、鳥インフルエンザによる影響から一時的に大きく落ち込んだものの、第1四半期は安定して推移、同5.7%増の34万8千トンとなった。 図2 2006年度上半期 輸出先シェア
● ● ● 2006年下半期の輸出量は、引き続き増加傾向と予測 ● ● ●USDAは、2006年度下半期の輸出動向について、鳥インフルエンザの影響により前年同期を3.0%下回った2005下半期を7%上回る127万トンに達すると予測している。鶏肉需要減退の主要因とされる鳥インフルエンザについて、消費者の需要に与えた影響は一時的なものであり、ブロイラー生産全体に与える影響は軽微であるとの見方を示している。 |
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