右肩上がりで伸びる豚肉輸出量


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2006年上半期は、前年同期比15.3%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2006年上半期の豚肉輸出量(枝肉重量ベース)は、為替が米ドル安で推移したことや、ブラジルにおける口蹄疫の発生による輸入国における輸入一時停止措置などにより、米国産豚肉に需要が高まり、前年同期比15.3%増の69万5千トンと堅調に推移した。米国の豚肉輸出量は、右肩上がりで成長を続けており、2006年の輸出量は、前年比13.4%増の136万9千トンが予測されている。特に2004年以降は、BSEや鳥インフルエンザの世界的な拡大を背景に、豚肉への代替需要の高まりなどから、豚肉輸出量は著しく増加している。2003年からの過去3年間の平均伸び率は20.7%、また、過去10年間でみるとおおよそ2倍近い拡大が見込まれている。

10年間の豚肉輸出量の推移


資料: USDA「Livestock, Dairy and Poultry Situation and Outlook」
 注: 2006年は予測値

● ● ● 新たな輸出仕向け先として、韓国、ロシアが台頭 ● ● ●

 輸出量を仕向け先別に見ると、第2位のメキシコが前年同期比29.0%増の14万5千トン、第3位のカナダが同6.8%増の7万1千トンと増加するとともに、韓国、ロシアへの輸出量も著しく増加した。中でもロシア向けは、ブラジルにおける口蹄疫の影響から同154.1%増の5万4千トンと大幅に増加した。また、韓国も米国のBSE発生に伴う米国産輸入牛肉の代替需要により同58.2%増の6万6千トンとなった。この結果、2003年の仕向け先上位3カ国(日本、メキシコ、カナダ)における輸出量のシェアは79.3%だったのに対し、2006年には64.1%まで低下している。その一方で、輸出仕向け先第4位となった韓国の全体に占める割合は5.6%から9.5%へ、第5位のロシアは1.1%から7.8%とそれぞれシェアを伸ばした。

 なお、全体の約3割を占め首位を維持する日本は、国内の在庫数量の増加などから同8.0%減の23万トンとやや減少となった。

豚肉の輸出国別、輸出量の推移(上半期)


資料: USDA「Livestock, Dairy and Poultry Situation and Outlook」
 注: 上半期(1〜6月)

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