ウルグアイ、トレーサビリティ法を公布


2006年9月1日から義務化

 ウルグアイ政府は8月2日、トレーサビリティ法(法律第17997号2006年7月12日制定)を公布した。この法の下で、先に公布された決議(2006年4月21日付け)において定められた個体識別登録システム(SIRA)により、個体番号が記録された耳標とICタグの装着、データベースへの牛の登録が義務付けられ、出生からと畜までの間の移動、所有者の変更、衛生関連などの情報を把握することが可能となる。

 まず第1段階として、2006年9月1日から、出生したすべての牛は生後6カ月齢または、出生した農場から最初に移動する前にSIRAへ登録することとなる。なお、取引や衛生条件に関する要求により、前述の9月1日という期日は変更されることがあるとしている。また、すでに任意で個体識別を実施している牛については、その追跡が確実な方法で証明されることを条件に現システムへの移行が認められる。

 次に第2段階として、2010年4月1日以降は国内すべての牛に耳標とICタグを装着し、SIRAへの登録を行うこととなる。同日以降、登録されていない牛は、トレーサビリティの条件を失うことになり、輸出認可のないと畜場で処理された後、その肉は国内市場でのみ販売される。

耳標は政府が無償で配布

 トレーサビリティ法では、政府は次の事項の費用を負担することが規定されている。

 ・データベースの構築、運営、管理

 ・システムの管理、情報収集、技術設備の設置

 ・耳標とICタグの購入・配布、初期段階におけるSIRAの実施に必要な技術指導と研修

 なお、この費用負担はトレーサビリティ法の発効から2010年3月31日までとされている。また、農家が必要とするデータベース上の情報収集に係るコンピュータや読み取り機などのインフラ整備については農家負担としている。

 また、SIRAで定められている主な事項は以下のとおりとなっている。

 ・SIRAの管理は農牧水産省の畜産衛生部(DGSG)が行う。

 ・一見して個体番号の識別が可能な耳標とボタンタイプのICタグの二つを一組として個体識別を行う。

 ・登録のために必要とされるデータは、個体番号、性別、品種、出生時期、飼養場所、所有者名で、これらデータの登録は紙または電子書式で行うことができる。

 ・牛の移動は、SIRAに登録された認可機関(個人または法人)により飼養場所および所有者名のみを変更することができる。

 ・牛の登録取消は、死亡、自家消費、紛失などの場合とと畜向けに食肉処理施設に搬入された場合の二通りによって行われる。

 ・耳標を紛失した場合には所有者自身が再装着できるが、ICタグが脱落した場合は、DGSGの介入を必要とする。二つの識別器具を両方紛失した場合は、その牛はトレーサビリティの条件を喪失することになるとしている。


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