NZフォンテラ、2005/06年度売上高は6%の増加


最終支払乳価は、キログラム当たり 4.10NZドル

 ニュージーランド(NZ)生乳生産量の95%以上を取り扱う最大手乳業会社フォンテラは7月24日、2005/06年度(6〜5月)決算の一部を公表した。それによると、乳製品国際価格の高騰を背景に、売上高は前年度比6%増の130億NZドル(10,140億円、1NZドル=78円)に達し、生産者への支払乳価については乳固形分キログラム当たり4.10NZドル(320円)と年度当初の見通しから25NZセント(20円)引き上げた。


市場変化に見合った迅速性と柔軟性が要因

 2005/06年度におけるNZの生乳生産状況をみると、最盛期となる9〜10月にかけて低温、多雨により落ち込んだことから、当初は、前年度実績を下回るとの見方が生じていた。しかし、その後の気象条件の回復により、生産量は最終的に前年度実績並みに到達したとみられている。この結果、2005/06年度のフォンテラの取扱量は、生乳を供給する酪農家戸数の増加もあり、過去最高水準となる前年度比3%増の1,400万キロリットルを超える集乳、加工実績を記録し、一定水準の乳製品生産量を確保できたとみられている。

 一方、2005/06年度の乳製品の国際市場は、豪州やEU、米国など主要乳製品輸出国での生乳生産量の低迷により市場供給量が減少傾向にある中で、原油産出国や経済成長の著しい中国などを中心に乳製品への需要が高まっており、需給はひっ迫傾向が続いている。このため、乳製品の国際価格は高水準で推移しており、乳製品生産の大部分を輸出に向けるフォンテラにとっては、これが追い風となり、売上高の増加に大きく寄与する結果となっている。

 フォンテラでは、売上高の増加要因として、市場変化に見合った迅速性と柔軟性が好結果をもたらしたとしている。また、乳製品の国際市場価格の上昇に加え、特に米国向け輸出価格が、粉乳やプロテインなどを中心に大きく上昇したことも寄与したとしている。


為替相場が変動する中での乳価の維持は大きな成果

 売上高が増加した結果、2005/06年度の生産者支払乳価は、最終的に乳固形分1キログラム当たり4.10NZドル(320円)と、年度当初に予測した3.85NZドル(300円)に対して6.5%の引き上げとなった。この乳価水準についてフォンテラは、酪農家全体でみれば、増額50億NZドル(3,900億円)を超える支払いとなり、主要通貨に対してNZドル高で推移した為替相場の状況下で、この乳価水準を維持できたことは大きな成果であったとしている。

乳価の推移
(乳固形分1kg当たり、単位:NZドル)

 20006/07年度の見通しについては、さらなる内部コストの削減などを通じ、酪農家にとってより価値のあるものにしたいとしている。

 世界の乳製品輸出市場に占めるNZの割合は32%(2004年実績)とEUに次ぐ高い位置を占めており、国際相場の動向は、生産者への支払乳価に大きな影響を及ぼすことになる。


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