● ● ● 上半期の生産量は2.3%増、新興酪農地域で高い伸び率 ● ● ●

　米国農務省（ＵＳＤＡ）によると、2006年第２四半期の生乳生産量は、前年同期を2.3%上回る2,127万２千トンとなった。同四半期における経産牛飼養頭数は同1.0%増の913万頭、１頭当たり乳量は同1.4%増の2,328.7キログラムとなり、ともに増加している。2006年の月別生乳生産量は、すべての月で前年同月を上回って推移しており、上半期（１〜６月）の累計は、過去最高を記録した前年同期を3.7%上回る4,193万４千トンとなった。

　全米生産量の７割強を占める上位10州の上半期の生乳生産量は、前年同期比で4.7％増となっており、全米の生乳生産量の増加を上位州がけん引していることを示している。

図１　2006年上半期 上位州別生乳生産量

資料：USDA/NASS「Milk Production」

　生乳生産量を州別にみると、第１位のカリフォルニア州は、前年同期比4.2%増の889万トン、第２位のウィスコンシン州は同3.2%増の533万７千トンとなっている。新興酪農地域とされる５位のアイダホ州、７位のニューメキシコ州は、それぞれ8.2%増の240万３千トン、15.1％増の177万６千トンで、高い伸び率を記録した。両州とも、６月の１頭当たり乳量は昨年と同水準であったが、経産牛飼養頭数がアイダホ州で7.7％増、ニューメキシコ州で10.8％増となっており、飼養頭数の増加が生乳生産量の伸長を支えた。

● ● ● 価格低下で、経産牛と畜頭数が増加 ● ● ●

　生乳生産量は、経産牛飼養頭数の増加に加え、１頭当たり乳量の堅調な伸びにより増加傾向で推移しているが、生乳の生産者販売価格は、2006年３月以降、前年同月を20%以上下回る100ポンド当たり12ドル台にまで下落している。このため、経産牛のと畜頭数は、５月に前年同月を7.9%、６月に同9.7%、それぞれ上回った。この結果、上半期のと畜頭数は、前年同期を0.5%上回る110万７千頭となった。今後の経産牛のとうた状況が注目される。

図２　経産牛と畜頭数の推移