2007/08年度の豪州産牛肉生産量、減少の見込み


◇絵でみる需給動向◇


牛肉生産量、と畜頭数とも減少の予測

 豪州資源経済局(ABARE)が四半期ごとに行っている農産物需給見通しによると、2007/08年度(7〜6月)の肉用牛と畜頭数は、前年度比5.3%減の860万頭、牛肉生産量は、同5.8%減の209万6千トンとそれぞれ前回公表値を上方修正したものの引続き減少と予測している。ABAREによると、生産地域の多くでは冬から早春にかけての気象条件が、干ばつ化傾向にあることで出荷頭数は前年と同様に高水準で推移しているが、今後、気象条件の好転が予報されていることで生産農家からの出荷が抑制され、と畜頭数は減少するとみている。このため、2007/08年度の牛のと畜頭数は減少し、加えてと畜時の生体重も低下することから、牛肉生産量は減少すると見ている。なお、今後の肉牛の飼養頭数についてABAREでは、2006/07年度は大規模な干ばつにより肉牛生産者が収益確保のため早期出荷を行った結果、と畜頭数および牛肉生産量は大幅に増加し、これに伴い飼養頭数が減少したが、今後のと畜頭数減少の見込みから2008年6月末時点の飼養頭数は、同0.7%増の2,800万頭と予測している。

肉牛飼養頭数、と畜頭数、牛肉生産量の見通し


牛肉生産量減少に伴い、輸出量も減少の予測

 2007/08年度の牛肉輸出量については、牛肉生産量の減少に伴い前年度比7.6%減の90万トンとかなりの程度減少すると予測している。主要輸出国別に見ると、(1)日本向けは、2008年前半から米国産牛肉との競合が強まり、また、豪州において飼料穀物および肉牛価格の高騰により日本向けの中心となるグレインフェッド牛肉の供給コストが上昇していることから同5.7%減の38万トン、(2)米国向けは、同国の加工用牛肉の市場で競合するウルグアイの牛肉生産量が減少したことに伴い輸出量の拡大が期待されるものの、豪州における経産牛(加工用)のと畜頭数の減により供給量が減少することから同5.9%減の28万5千トン、(3)韓国向けは、米国産牛肉の輸入条件の緩和が進展し、また、同国において需要が高いショートリブの供給に優位な米国産牛肉の需要増加が見込まれることから、同29.9%減の11万トンと、いずれも減少を予測している。

 輸出額については、輸出量が減少するものの肉牛価格の上昇に伴い、同1.3%減の45億7,300万豪ドル(4,893億円:1豪ドル=107円)とわずかな減少にとどまるとみている。

主要国別輸出量の見通し


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