外食需要の高まりを受け牛肉輸入がわずかに増加見込み


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は10月1日、メキシコの2008年における牛肉の需給見通しを公表した。これによると、2008年の牛肉生産量は、前年をわずかに上回る水準となり、また、都市部のスーパーや外食産業需要の高まりにより、輸入量もわずかに増加するものと見込まれている。2008年の牛肉需給予測は、以下の通り。

フィードロット導入頭数は減少傾向、牛肉生産量はわずかに増加の見込み

 2008年当初の牛総飼養頭数は、前年比0.5%減の2,652万頭、このうち、肉用繁殖雌牛頭数は、同0.9%増の1,190万頭と見込まれている。また、同年の子牛生産頭数は、繁殖雌牛頭数の増加に加え、近年の豊富な降雨量により牧草の生育状況が良好なことから、生産性が向上しており、同1.8%増の835万頭と見込まれている。

 メキシコの牛飼養形態は、従来、牧草肥育が主体であるが、牛肉生産の3分の1弱を占めるフィードロットへの導入頭数は、高止まりしている飼料穀物価格の影響により、減少傾向にあるとされている。

 2008年の牛と畜頭数は同1.5%増の670万頭、牛肉生産量は同0.7%増の222万トンと、それぞれ前年をわずかに上回るものと見込まれている。


都市部の牛肉需要は根強いものの、鶏肉・豚肉へのシフトも予測

 牛肉消費量は、2004〜2006年の間、前年を2〜3%程度上回る水準で増加してきたが、2007年には前年比1.0%増、2008年には同0.6%増と、今後、同国の経済成長率や人口増加率と比較して、その伸び率は縮小するものと見込まれている。

 USDAによると、牛肉需要は、都市部の中・高所得層では依然として根強いものの、全般的に食品価格が上昇する中、今後、一部の中産階級層では、鶏肉や豚肉などのより安価な食肉へのシフトが見られることも予測されるとしている。

 なお、牛枝肉の卸売価格(メキシコシティ)は、2006年以降、比較的安定して推移しており、2007年7月の平均価格は、前年同月比2.3%高の100ポンド当たり136ドル(キログラム当たり348円:1ドル=116円)となっている。


外食産業の需要増などにより米国産牛肉輸入は高水準の見込み

 このように、牛肉需要の減速も予測される中、2008年の牛肉輸入量は、前年比1.3%増の38万トン(牛肉消費量の約15%相当)と見込まれている。また、輸入量全体の8割超を占める米国産牛肉は、価格面・品質面で優位性があり、また、都市部のスーパーや外食産業部門からの支持を得ているため、今後も、輸入量は高水準で推移するとされているが、鶏肉・豚肉需要との継続的な競合が見込まれている。

 また、同年に輸入される米国産牛肉のうち、9割は部分肉(1割は枝肉)で、そのうち、7割はかた・もも肉、残り3割がいわゆる高級部位になるものとされている。

 一方、生体牛輸出は、ほぼ100%が米国向けであるが、最近、メキシコでは、生体牛輸出の抑制、子牛生産の増大による牛肉自給率の向上に向けた取り組みが見られることから、2008年は、前年比7.7%減の120万頭(子牛生産頭数の約15%相当)になるものと見込まれている。

メキシコの牛肉等需給の推移


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