中国、香港向け豚肉輸出量は大幅に増加


◇絵でみる需給動向◇


2007年1〜8月の豚肉輸出量は前年同期比1.4%減

 米国農務省(USDA)によると米国の2007年8月の豚肉輸出量(枝肉重量ベース)は前年同月比11.0%増の11万トンとなった。今年2月から6月にかけての輸出量は前年同月を下回って推移していたが、7月から前年同月を上回って推移している。この結果、2007年1〜8月の累計で見ると87万9千トンと前年同期を1.4%下回っている。

 2007年1〜8月の豚肉輸出量を国別に見ると、第1位の日本は32万8千トンと前年同期を8.6%上回っているが、第2位のメキシコは13万1千トンと同29.4%下回っているのをはじめ、第4位の韓国や第5位のロシア向けも前年同期を下回っている。

 このような中、中国および香港向けの豚肉輸出は急激な伸びを示している。2007年1〜8月の輸出量は、中国が前年同期比72.2%増の5万5千トン、香港は同105.5%増の2万4千トンとなり、両者を合わせると7万9千トンと第4位の韓国を上回っている。


中国向け豚肉輸出は大幅に増加

 中国および香港向けの豚肉輸出量は前年同月を大幅に上回り、増加傾向で推移している。この背景には中国の経済発展に伴う購買力の上昇とともに、中国国内で発生した豚繁殖・呼吸器障害症候群(PRRS)などの影響による豚肉生産量の減少から、輸入品に対する需要が大きくなったことがその要因と見られている。

 USDAによると、PRRSの影響により中国における2008年の豚飼養頭数は前年比5%減の4億6,976万頭となると見込んでいる。

 一方、中国国内での需要は強く、2008年に行われる北京オリンピックに向けさらに高品質の豚肉需要が伸びるとともに、さらなる豚肉価格の高騰が予想される。

主要な国と地域への豚肉輸出(単位:千トン)

 このような中、米国最大の豚肉パッカーであるスミスフィールド社は今年8月、中国と年内に6千万ポンド(2万7千トン)を販売する契約を締結したことを発表した。

 このようなことなどから、USDAは2007年の中国全体の豚肉輸入量を前年比44.4%増の13万トン、2008年は同15.4%増の15万トンと増加するものと見通している。


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