トウモロコシの2007年上半期生産量は前年比の8%増と予想フィリピン農務省は、2007年上半期のトウモロコシと米の生産量の予測値を公表した。トウモロコシの生産量については、第2四半期においてエルニーニョの影響を受けると予想されているものの、第1四半期における十分な降雨量により、同8%増の281万トンが見込まれている。トウモロコシの地域別生産量は、主要生産地のうちルソン島北部のカガヤンバレー管区が同24%増の約71万トン、ミンダナオ島南部のイスラム教徒自治区が同29%増の約45万トンと大幅に増加することが予想されている。2005年のトウモロコシの生産量は、カガヤンバレー管区が約77万トンで第3位、イスラム教徒自治区が約63万トンで第4位となっており、今年上半期の生産量が増加する要因として、同省は、カガヤンバレー管区については昨年の洪水被害からの回復、イスラム教徒自治区については耕作地の増加によるものと分析している。なお、昨年のトウモロコシの生産量は、好天に恵まれたことおよびハイブリッド種の使用拡大などにより、前年比15.8%増の約6百万トンであった。また、同国で生産されたトウモロコシは、おおむね7割が飼料として用いられているとされている。 米については、2006年の生産量が同5%増の約1千530万トンであったが、2007年上半期については、同1%増の663万トンと予想されており、トウモロコシと同様に、第1四半期における十分な降雨量が生産量の増加に寄与すると見込まれている。地域別生産量は、主要生産地であるルソン島の中部ルソン管区が同8%増の約120万トンと予想されており、ほかの地域の減少分をカバーするとしている。 また、同省は2007年3月1日現在におけるトウモロコシと米の在庫状況について速報値を公表した。トウモロコシの在庫数量は約24万トンで同5%減、米は約160万トンで同7%減となっている。
2006年のトウモロコシ価格は前年を上回って推移同省は、今回の生産予想量の公表とともに、2006年のトウモロコシと米の生産者販売価格などの速報値も併せて公表している。2006年のトウモロコシの価格については、主に飼料として用いられる黄色トウモロコシと食用に供される白色トウモロコシに区分されている。生産者販売価格(全国平均)については、黄色トウモロコシがキログラム当たり8〜9ペソ(21〜23円:1ペソ=2.6円)後半の価格となり、2006年通年で前年より同1ペソ程度上回って推移した。白色トウモロコシについては、2006年3月以降はおおむね同10ペソ台となり前年を上回って推移した。また、2006年の米の生産者販売価格(同)については、同10〜11ペソ台(26〜28円)で推移し、ほぼ前年並みとなった。 |
元のページに戻る