鳥インフルエンザによる飼養頭羽数減少や飼料価格高騰が主因中国商務部によると、2007年5月1〜20日における国内36都市の豚肉の平均卸売価格は、前年同期比43.1%高の1キログラム当たり14.50元(約231円:1元=15.9円)となった。4月の平均卸売価格と比べると、8.6%の上昇となった。 また、同じく鶏卵の平均小売価格は、同31.6%(1.68元)高の7.00元(約111円)で、4月に比べ2.6%の上昇となった。 これらの影響を受け、牛肉および綿羊・ヤギ肉(中国では両者をあまり区別せず、単に「羊肉」と総称することが多い)価格も、それぞれ1キログラム当たり0.2〜0.4元(約3〜6円)および0.4〜0.6元(約6〜10円)と、小幅ながら上昇した。 商務部では、豚肉および鶏卵の価格高騰の主な原因について、以下のように説明している。 1 飼養頭羽数の減少に伴う供給減 2 飼料価格の高騰による生産コスト高 なお、一部報道などによると、豚肉価格の高騰要因については、上記に加え、昨年以降の豚連鎖球菌症や豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)などの影響も大きいとされる。
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注1 国家備蓄肉 注2 計画単列市 |
こうした中、国務院弁公庁(国務院の日常業務の総合執務機関)は5月29日、豚肉など市民の生活に直接大きな影響を及ぼす日用的な副食材料の生産・供給を適切に維持し、市場の安定化を図るため、以下のような対策を発表した。
1 日用食品に関する問題については市長が責任を負うこととし、豚肉など副食材料の生産、供給、価格および市場管理などに関する問題を速やかに解決するとともに、生産・販売の協力体制を強化し、需給と価格の安定を確保すること
2 豚の適切な生産安定のため、感染症の予防・治療体制を強化し、飼養規模の拡大と畜産農家に対する保険政策について十分に研究すること。また、地方政府は母豚飼養農家などに適切な補助を行い、豚の出荷率を高めること。併せて、中央政府はその財源を主産地である中西部の養豚に集中させ、効率的な補助対策を図ること
3 生産・販売の連携を十分に図るとともに、各地の潜在力を十二分に引き出し、豚肉など副食材料の適切な需給安定を図ること。とりわけ各地の中心都市における大学、高校、専門学校などの学生食堂および伝統的な祝日における豚肉の供給には、特段の注意を払うこと。また、鉄道・交通部門は、豚の輸送に対して優先的な便宜を図ること
4 エタノール生産など、トウモロコシの盲目的な高度加工を制御すること。各地におけるトウモロコシ高度加工施設の新設や高度加工プロジェクトの拡張を停止し、現在進行中の計画についても、全面的に整理し、見直しを図ること
5 市場情勢、品質および価格の監視・管理を強化し、合法的な市場取引を推進するとともに、法に基づいた豚のと畜管理を励行し、検査・検疫を強化し、病死した豚の肉や注水して重量をごまかした豚肉の販売などの違法行為に対する取り締まりを強化すること
6 市場および価格に対する監視・観測を強化し、豚肉など副食材料に対する需要と価格情報を的確に収集し、速やかにマーケット情報を公開することにより農民を正しい方向に導き、売り惜しみによる価格高騰や集中販売による価格暴落から生ずる損害の防止に努めること
7 都市部における低収入の住民生活に対し、十分に配慮すること。豚肉など副食材料の価格高騰は、住民生活に大きな影響をもたらすため、適切な措置を実施し、低収入の住民の生活水準が低下しないようにすること。また、大学、高校および専門学校などの学生食堂における価格安定のため、適切な補助措置を講ずること
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