2007年の生乳生産は微増、乳価は好転の見込み


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 1頭当たりの乳量増加で、生乳生産量も微増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2007年第1四半期(1〜3月)の生乳生産量は、前年同期比1.0%増の2,086万5千トンとわずかに増加した。また、1頭当たりの乳量は、2007年第1四半期も同0.7%増となった。USDAによると、2007年全体の生乳生産量も前年比1.1%増の8,337万トンになると予測されている。


● ● ● 2007年の生乳生産者販売価格は上昇の見込み ● ● ●

  1頭当たりの乳量の増加に加えて、全米の搾乳牛頭数も2004年11月以降前年同月を上回って推移している。このことから2005年、2006年の生乳生産量は8,000万トン台にまで増加し、生乳の生産者販売価格はそれぞれ100ポンド当たり15.19ドル(キログラム当たり41円:1ドル=121円)、同12.97ドル(同35円)と2年連続で下落した。一方、USDAによると最近の穀物価格や、アルファルファ価格の上昇などから、生産コストは増加しているとされる。アルファルファの生産者販売価格は、2006年11月以降前年同月を2割程度上回って推移している。

  このようなことから、酪農協共同基金(Cooperative Working Together:CWT)では、2003年以来4回目となる「牛群とう汰プログラム」を実施するとしている。これにより、おおよそ5万4千頭の乳牛がとう汰され、(約46万7千トン相当の)生乳生産の削減が見込まれている。その内訳を見ると、生乳生産量が最大のカリフォルニア州を含む西部地域での乳牛のとう汰が最も多く2万頭(19万トン相当の生乳削減)となっている。
  2006年の生産者販売価格は1月、2月を除くすべての月で、過去5年の平均を下回って推移していたのに対し、2007年以降は平均値を上回って推移している。

アルファルファの生産者販売価格
資料:ERS「Feed Grains Database」


生乳の生産者販売価格の推移
資料:USDA「Agricultural Price」


資料:NASS/USDA「Milk Production, Disposition and Income 2006 Summary」
注:2007年の搾乳牛頭数、1頭当たりの乳量は第1四半期時点

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