最近のチーズ生産動向


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2006年のチーズ生産量は前年比3.6%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2006年の主要乳製品生産量は、生乳生産量の増加を反映して、バター、脱脂粉乳、チーズはそれぞれ前年比7.2%増の65万5千トン、同3.5%増の55万7千トン、同3.6%増の429万1千トンとなった。特に、チーズ生産量は、国内での需要量が右肩上がりで伸びていることから2002年以降ほぼ前年同月を上回って推移している。


● ● ● イタリアンタイプに人気高まる ● ● ●

 米国で生産されるチーズは、チェダーなどのアメリカンタイプと、モッツアレラなどのイタリアンタイプで全体の8割以上を占めている。2006年のチーズ生産量の内訳を見ると、アメリカンタイプが前年比3.3%増の178万6千トン、イタリアンタイプが同4.1%増の179万6千トンと好調な生産が続いている。

 USDAによると、モッツアレラへの需要が近年高まっており、2000年から2006年の間で、全体に占めるイタリアンタイプの割合は40.1%から1.8ポイント増の41.9%へ増加した。その一方で、アメリカンタイプは44.0%から2.4ポイント減の41.6%に減少するなど、初めてイタリアンタイプの生産量を下回った。

チーズの生産動向

資料: USDA「Dairy Products」
注1: 2006年は推定値
注2: 合計には、アメリカンタイプ、イタリアンタイプ以外も含む


● ● ● 2007年のチーズ卸売価格は回復と予測 ● ● ●

 USDAによると、2006年のチーズ卸売価格は、生産量、在庫量がともに前年を上回って推移したことなどを受けて、ポンド当たり180セント台まで下落するなどすべての月で前年同月を下回って推移した。しかし、2006年下半期以降は緩やかに上昇を始め、2007年1月のチェダーチーズ卸売価格(ウィスコンシン)はポンド当たり前年同月比0.1%安の198.4セント(キログラム当たり538円:1ドル=123円)、モッツアレラチーズも同0.2%安の194.8セント(同529円)となっている。

 USDAによると、2007年は生乳生産量の伸びが前年に比べて緩やかになるとともに、2006年の第4四半期からの国内の経済状況の回復から、チーズへの強い需要は今後も継続すると見込まれているため、2007年のチーズ卸売価格は上昇すると予測している。

チーズ卸売価格の推移

資料:USDA「Dairy Market News」


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