● ● ● ブロイラー生産は安定的に推移 ● ● ●タイ農業協同組合省(MOAC)発表の12月のブロイラー生産量(出荷羽数)は、6千9百万羽と前年を4.9%下回り、11月の生産量を若干上回ったものの、直近の生産は6千万羽後半で安定的に推移している。● ● ● 卸売価格は昨年を上回る ● ● ●タイ商務省発表によるブロイラー卸売価格(生体)は、2月以降、ほぼ前年を下回って推移していたが、11月以降前年を上回って推移し、12月には前年同月比7.3%高の33バーツ(122円:1バーツ=3.7円)となった。● ● ● 小売価格の収益率は回復傾向 ● ● ●バンコク市場における鶏肉卸売価格と小売価格の動向は下図のようである。両価格の年ごとの単純平均値はキログラム当たり、2004年は37.5バーツおよび50.6バーツ、2005年は43.7バーツおよび55.0バーツ、2006年は36.7バーツおよび48.7バーツとなっている。2005年は両価格とも高く、前年に発生が確認された鳥インフルエンザ(AI)の影響からの立ち直りが感じられる。一方、2006年は両価格とも2004年水準を下回るが、小売価格に対する粗利益率をみると2004年は25.9%、2005年は20.5%、2006年は24.6%となっており、前年に比べて回復している。この要因としては、豚肉価格が安く、鶏肉価格にも影響を与えていると言われている。
● ● ● 中東への鶏肉調製品輸出に期待 ● ● ●タイから中東向けの鶏肉調製品の輸出量と金額は、2005年には99トンおよび117万バーツ(433万円)、2006年には11トンおよび138万バーツ(511万円)となっており、数量、金額とも非常に少ない状況となっている。これはイスラム教に従ったハラル認証が必要など、ほかの国への輸出とは異なった手続きが必要とされるためである。タイ国家農産物食品規格庁(ACFS)によれば、これまでのタイイスラム中央委員会とアラブ首長国連邦(UAE)との交渉の結果、今後、タイ国内の食鳥処理施設17カ所と加工施設38カ所の検査を行う予定であるとしている。 ACFSによると、UAEはタイに対して、輸出される製品に対して、(1)生産国がイスラム教の戒律に基づいた生産基準を整備していること、(2)生産施設がUAEの検査に合格すること、(3)食鳥の処理に当たってはハラルを順守すること、(4)生産施設にイスラム教の顧問を常駐させること−の4条件を提示し、これに対して昨年9月に基本的な承認を得たとしている。 検査に合格すればすぐにも輸出が開始されるとACFSは期待しており、現在年間5千億バーツ(1兆8,500億円)の食品輸出額のうちハラル製品は80億バーツ(296億円)にすぎないが、これに35億バーツ(130億円)の上乗せができると期待している。
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