豪州の生乳生産、2008/09年度以降は増加傾向で推移する見込み


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2011/12年度の生乳生産量、1,060万キロリットル超の見込み ● ● ●

 豪州農業資源経済局(ABARE)が四半期ごとに公表している農産品需給予測によると、2011/12年度における豪州の生乳生産量は、2005/06年度と比較して5.3%増の1,062万5千キロリットルとやや増加すると見込まれている。生乳生産量は、2005/06年度までは1千万キロリットル台で推移したが、2006年に発生した干ばつの影響で2007/08〜08/09年度にはいったん8百万キロリットル台にまで減少するとされる。しかし、酪農経営の大規模化や新たな投資による乳用経産牛頭数の増加、また、経産牛1頭当たりの泌乳量の増加などにより、新たな干ばつの発生など不透明な要素はあるものの2010/11年度以降の生乳生産量は再び1千万キロリットルを超えると予測されている。

生乳生産および経産牛飼養頭数の推移
資料:ABARE
注:06/07年度は暫定値、07/08年度以降は予測値


● ● ● 生乳価格、2007/08年度以降は上昇傾向 ● ● ●

 前段で述べたように、2006年の干ばつの影響が残る中、生乳生産量は2007/08年度に881万5千キロリットルと近年の中では最低値を記録すると予測されているが、生産量が減少することから生乳価格は前年度比6.4%高の1リットル当たり34.7豪セント(34円:1豪ドル=97円)とかなりの程度上昇すると見込まれている。
 2008/09年度以降、生乳生産量は一貫して増加するとされるが、海外からの豪州産乳製品の需要は依然として高いことから、生乳価格も2009/10〜11/12年度にかけて同37豪セント台の高水準を維持すると予測されている。


● ● ● 乳製品の輸出量、2008/09年度以降は増加の予測 ● ● ●

 2011/12年度までの乳製品の輸出予測をみると、バター、チーズ、脱脂粉乳および全粉乳のすべてにおいて、2006年の干ばつの影響で2007/08年度まで減少するとみられている。しかし、その後の輸出量は回復に向かい、2011/12年度はバターが2007/08年度と比較して24.6%増の7万1千トン、チーズが同20.2%増の20万2千トン、脱脂粉乳が同31.2%増の18万5千トン、全粉乳が同72.6%増の12万6千トンとそれぞれ大幅に増加すると見込まれている。昨年度までの予測では、2010/11年度までのバターおよび脱脂粉乳の輸出量は減少傾向で推移するとされていたが、中国やロシアなどの目覚しい経済成長による乳製品需要の高まりにより、近年の乳製品の国際価格は大きく上昇する状況が続いていることから、短期的には豪州の乳製品全般に世界の需要が集まる傾向が続くものと思われる。

乳製品の輸出実績および予測
資料:ABARE
注:06/07年度は暫定値、07/08年度以降は予測値



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