欧州議会、より厳格なオーガニックの規則を要望


欧州委員会の規則案に対する報告書を作成

 欧州議会の農業・農村開発委員会は2月27日、2005年12月に欧州委員会から提案されたオーガニック生産とその製品の表示に関する規則案に対する欧州議会の報告書に合意した。

 欧州議会には、議会活動の効率化のため20の委員会が組織されている。農業分野については、農業・農村開発委員会が担当し、欧州委員会および理事会の提案を検討し、本議会に提出するための報告書を作成している。今回の同委員会の合意により、今月の本議会において同報告書が検討される予定となっており、その後、EUの農相理事会で議論されることとなる。


オーガニック製品の保証を主張

 EUでのオーガニック製品の売り上げは、毎年約30%伸びており、また、オーガニック製品の生産も急速に拡大している。なお、EUでのオーガニック生産向け農地は、農用地全体の3.6%(2006年)となっている。

 このようにEUでのオーガニック食品の需要が高まり、供給もそれに応じて成長している中、欧州議会は、これらの製品を購入する消費者に対して、オーガニック製品であることを確実に保証すべきであると主張している。

 現在のEUのオーガニック規則(理事会規則EEC/2092/91)では、オーガニックと表示できる食品は、少なくとも原料の95%がオーガニック由来であることと規定されている。先の欧州委員会による規則案では、食品の製品重量の少なくとも95%がオーガニック由来原料であることとし、ロゴの使用については任意にするとしていた(もし、ロゴを使用しない場合は、オーガニック製品である旨の表示を義務化)。

 これに対し、今回の報告書では、オーガニック製品の条件を満たすすべての食品について、EUのロゴと「EU−オーガニック」との表示の両方の表示を義務化することを強調している。

 また、オーガニック製品への偶発的に混入する遺伝子組み換え体(GMO)の許容含有率については、規則案では、通常の食品と同様の0.9%まで許容することを提案しているが、今回の報告書では、オーガニック食品におけるGMOの混入は一切認めないとしている。


欧州議会の役割を強調

 農業分野における欧州議会の立法権限は、欧州委員会が提案する規則案などに意見を述べる諮問的な役割であるが、今回の案件は、農業生産に関することのみならず、EU域内での食品流通に関することであるので、消費者保護の観点から、欧州議会が理事会と対等の立場で法案の決定権を持つ共同決定手続きとすべきであると主張している。

 なお、本規則については、2009年1月1日からの施行を目指している。

(参考)
現在使用されているEUのオーガニックのロゴ


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