牛肉小売価格は5ヵ月連続で前年同月を上回る


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2007年8月の1頭当たりの枝肉重量は357キログラムと前年水準に回復 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、飼料価格の上昇などにより減少していた1頭当たりの牛枝肉重量は、フィードロットへの生体重の重い肉牛の導入が進んでいることなどから2007年8月は前年同月と同水準の357キログラムとなった。1頭当たりの枝肉重量は、例年4−5月に減少し9−10月にピークを迎えるという季節的パターンを描くとともに、近年は毎年4〜5ポンド(約2キログラム)ずつ増加して推移している。2007年も同様のパターンを描いているものの、2007年1〜8月の1頭当たりの枝肉重量の平均値(加重平均)は前年同期比1.1%減の348.5キログラムとなっている。

1頭当たりの枝肉重量の推移


● ● ● 穀物価格の高騰などが、牛肉小売価格を押し上げ ● ● ●

 USDAによると、2007年8月の牛肉小売価格(チョイス級)は前年同月比6.8%高の1ポンド当たり414.3セント(1キログラム当たり1,069円:1ドル=117円)となった。2007年の牛肉小売価格は、穀物価格やガソリン価格の高騰により3月以降一貫して上昇しており、過去5年間の平均値(加重平均)と比較してもかなり高水準で推移している。これは、2007年上半期において鶏肉生産量の減少により鶏肉小売価格が上昇したことや、豚肉も高値で推移したことが、牛肉小売価格を押し上げたとされる。さらにUSDAは、(1)2003年以前の牛肉輸出水準には及ばないものの、徐々に牛肉輸出量が回復しつつあること、(2)すぐに市場出荷できる牛の供給量が不足しており牛肉生産量が伸び悩んでいること、−などが、最近の小売価格上昇の要因と分析している。

 米国の2007年上半期(1〜6月)の輸出量は、前年同期比19.2%増の28万7千トンとなっており、国別ではメキシコが同13.1%減の13万1千トン、カナダが36.0%増の6万5千トンなった。なお、日本および韓国向けは増加傾向にあるものの、それぞれ3万2千トン、5千トンと低水準にとどまっている。

牛肉小売価格の推移


元のページに戻る