フィードロット飼養頭数、輸出環境の悪化などで引き続き減少(豪州)


飼養頭数は87万頭、2期連続しての前年同期比割れ

 豪州フィードロット協会(ALFA)は8月13日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との共同調査による四半期ごとの全国フィードロット飼養頭数調査結果を発表した。これによると、2007年6月末時点の総飼養頭数は87万頭となり、前回調査(2007年3月末)との比較では0.4%減の小幅な動きにとどまったものの、前年同期比では7.5%と大きく減少した。一方、フィードロット稼働率は、収容能力の大きな変動が見られなかったことで前回調査と同じく77.4%を維持した。

 フィードロット飼養頭数について州別に前年同期と対比してみると、主要肉牛生産地であるクイーンズランド(QLD)州を中心に、ニューサウスウェールズ(NSW)州、ビクトリア(VIC)州の東部州でいずれも減少となった。特に減少幅の目立つQLD州では、前年同期に比べて7万9千頭もの減少となり、全体の飼養頭数を減少させる最大の要因となっている。

州別飼養頭数内訳(単位:頭)


経営環境は引き続き厳しい局面、冬穀物の収穫結果が重要な要素

 フィードロット飼養頭数減少の要因についてALFAでは、(1)豪州国内での干ばつの影響に加え、世界的な穀物燃料需要の高まりによる飼料価格の高止まり、(2)主要通貨に対して豪ドル高で推移する為替相場(特に最大の輸出先である日本の円に対しては、この1年間で豪ドルが18%もの上昇)による輸出環境の悪化、(3)韓国市場での米国産牛肉輸入の拡大に伴う豪州産牛肉需要の低下−などを挙げている。

 このため、輸出向けを中心とするフィードロット各社の経営は厳しい局面が続いており、体力の限界から生産調整や輸出価格へのコスト増加分の転嫁、また、輸出先の見直しを図る動きも出始めている。

 2007年上半期の飼料用穀物価格は、小麦が前年同期に比べて45%の上昇、また、ソルガム、大麦価格もそれぞれ同52%、75%高と上昇が続いている。ALFAでは、フィードロット産業にとって、この局面を打開するためには、今年の冬穀物の収穫量が重要な要素とみている。


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