2007年第4四半期の豚総飼養頭数は前年同期比4.2%増
米国農務省(USDA)が四半期ごとに公表する豚飼養動向調査によると、2007年第4四半期の豚総飼養頭数は前年同期比4.2%増の6,511万頭となった。
飼養区分別に見ると、繁殖豚(雄を含む)は同1.1%増の615万7千頭となり、2007年第1〜4四半期の豚飼養頭数は一貫して前年同期を上回り、2008年も引き続き高水準な肉豚生産が予測される。また、肥育豚は同4.5%増の5,895万4千頭で、体重階層別に見ると、60ポンド(約27キログラム)以上では、同4.6%増の3,759万頭、60ポンド未満の子豚は同4.4%増の2,136万4千頭となっている。
米国の豚総飼養頭数は1998年に6,220万6千頭のピークを迎えた後、肥育豚価格の下落により、一時やや減少したが、2002年から再び緩やかな増加に転じ、6年連続して前年を上回って推移している。
肥育豚価格は2004年初頭以来の安値
このように米国内での豚飼養頭数の増加に加え、カナダドル高を受けカナダの養豚経営において収益性が減少したことにより、カナダから米国への生体輸入が増加していることから、2007年の豚肉生産(枝肉重量ベース)は前年比2.8%増の982万トンとなった。
これら豚肉生産の増加に伴い、2007年第4四半期の肥育豚の価格は11月に100ポンド当たり36.95ドル(キログラム当たり94.5円:1ドル=115円)と2004年1月以来30ドル台に下落した。12月には39.75ドル(同101円)とわずかに回復したものの、USDAは今後も38〜39ドルの間で変化すると予測している。USDAによると、最近の肉豚生産の損益分岐点は100ポンド当たり40ドル(キログラム当たり101円)を超えることから、多くの生産者が2004年初頭以来初めての赤字経営を強いられているとしている。
しかし、生産量が増加基調にある一方で、肥育豚価格が1998年ほど急落していないのは、米国産豚肉が海外市場への引き合いが強いことに起因しているとされる。
米ドル安を背景に輸出量は大きく増加
BRICs諸国の畜産物需要の増大および米ドル安が追い風となり、豚肉輸出量は、2007年7月以降、前年同月を大幅に上回って推移している。
通常、第4四半期が輸出量が最も多いとされているが、同四半期の初月である10月の豚肉輸出量は前年同月比31.1%増の14万2千トンと大幅に増加した。輸出先別に見ると、日本が前年同月比14.7%増の41.5千トン、カナダが同41.2%増の15.8千トン、中国が320.1%増の15.2千トン、メキシコが24.3%減の18.2千トンおよびロシアが同88.1%増の16.1千トンであった。
最近の米国産豚肉の国別輸出動向を見ると、2007年1〜10月のシェアは最大仕向先である日本のシェアがやや低下してきており35.8%であるのに対し、ロシアは同7.3%、中国は同7.1%と年々両国のシェアが高まってきている。 主要な輸出国の豚肉輸出量の推移
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