07/08年度第1四半期の生乳生産は8.2%減、主産地での低下が目立つデイリー・オーストラリア(DA)が発表した2007/08年度第1四半期(7〜9月)の生乳生産実績によると、主要生乳生産地で干ばつの被害が続いていることなどから、豪州全体で前年同期比8.2%減と厳しいスタートになった。 2007/08年度の生乳生産は、豪州の生乳生産の6割以上を占めるビクトリア(VIC)州、また、VIC州に次ぐ生乳生産量を誇るニューサウスウェールズ(NSW)州を中心とした干ばつにより、酪農家の放牧環境は年度当初から悪化しており、7月以降、前年度実績を下回って推移している。特に、VIC州北部とNSW州南部を中心とするマレー・ダーリング河流域での減産が目立っている。第1四半期の実績では、VIC州北部で前年同期比13.9%減、NSW州南部では同14.8%減と大きく落ち込んでいる。この地域の酪農は、かんがい用水を利用した放牧酪農により成長を遂げてきたが、干ばつによるかんがい用水の供給制限や水利用価格が大きく上昇したことで、放牧酪農の継続が難しくなっている。このため、経営環境の悪化から離農する酪農家が増えており、また、経営を継続する場合にあっても、購入飼料の増加など増え続ける生産コストを抑制するため、一日一回の搾乳実施など最低の生産水準を維持しているところも多い。 2007/08年度第1四半期実績を州別に見ると、VIC州では前年同期比8.5%減、NSW州で同5.9%減、クイーンズランド州で同16.6%減など、タスマニア州を除き、いずれも減少となっている。 今後の生乳生産の見通しについてDAでは、乳製品国際価格の上昇が乳価に反映していることで酪農家の生産意欲は上向きにあり、また、干ばつの状況も、まとまった降雨により徐々に終息に向いつつあることから、最終的には前年度比5%減程度に収まるとしている。
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