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【デンバー駐在員 藤野 哲也 12月5日発】 米国農務省(USDA)は、 12月3日、ミルク・マーケティング・オーダー制度の対象地域を現在の32か ら10地域とする整理・統合案を発表した。これは、96年農業法に基づくもの で、今後、関係団体からの意見聴取など、実質的な統合に向けての動きがスター トすることになる。 農務省農業流通局(AMS)は、今般、ミルク・マーケティング・オーダーの 対象地域(オーダー地域)を現在の32から10に整理・統合する旨の素案を発 表した。AMSでは、この素案についての意見を来年2月10日まで受け付ける ことにしており、今後、これを基に、生乳取扱業社や生産者などの意見を踏まえ て、オーダー地域の整理・統合実施の最終期限である99年4月に向けてスター トを切ったことになる。 ミルク・マーケティング・オーダー制度は、生乳取扱業者に対して、飲用規格 (Aグレード)生乳の用途別最低乳価を規定するとともに、生産者へのプール乳 価の支払いを義務付けている。95年には、生乳販売数量の約71%、飲用規格 生乳全体では75%がオーダーの対象となった。 オーダー地域の範囲は、数州にまたがる大きなものから州内の一部地域によっ て構成されるものまで、各オーダーによってさまざまであるが、62年の83オ ーダーをピークに、取引の広域化に伴い減少が続いていた。 そして、96年農業法において、オーダー地域を3年以内に10〜14に整理 ・統合することが決定された。 これは、現在、飲用向けと加工向けの仕向比率の相違によって、オーダー地域 ごとの乳価の格差が大きいことから、その取引範囲を拡大することによって、格 差是正を図ろうとするものである。 また、併せて主要生乳生産地でありながら、連邦オーダー制度ではなく、州独 自の制度を持つカリフォルニア州について、州生産者らの要望に基づく、オーダ ー公布について検討することが、USDAに指示されている。 今回の素案では、オーダー地域を、太平洋北西部、西部、南西部、中央部、上 部中西部、南東部、中東部、アパラチア地域、フロリダ地域、北東部に区分して いる。AMSは、これらの地域区分について、生乳処理工場の集乳や流通状況を 基に定めたとしている。 また、AMSは、オーダー地域の統合に伴い中小の生産者や生乳取扱業者に与 える経済的な影響について関心を持っており、対象となる中小生産者などに意見 を求めている。 USDAとしては、今後の予定として、97年後半に政府案を提出し、98年 秋には、最終規則案を公表したいとしている。なお、この規則案は、生産者の投 票によって承認を得た後、農務長官によってオーダーとして公布されることにな る。
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