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【ブラッセル駐在員 東郷 行雄 3月27日発】 EU統計局は、このほどEU 15カ国および周辺4カ国を対象に実施した食品価格の比較調査結果を発表した。 「食品総合」を見ると、EU15カ国の中で消費者価格の最も高い国はデンマー クで、反対に最も安い国はポルトガル、ギリシャとなっており、両者の価格水準 には約6割の開きがある。 この調査は、EU統計局と加盟15カ国並びにアイスランド、ノルウェー、スイ スおよびポーランドの周辺4カ国の統計機関が協力して、家庭で消費される代表 的な食品等約900種類の品目を対象として95年春に実施された。 EU15カ国の主要な畜産物の価格水準は次の通りである。(EU平均= 100) <食肉総合>デンマーク、スウェーデン、ルクセンブルグ、オーストリアおよび オランダが120を超えており、EU平均より2割以上高い。反対にポルトガル、 ギリシャ、スペインは70台で最も安い。 <牛肉>最も高かったのは、デンマークの151、次いでドイツの136である。 最も安かったのはギリシャの66で、両者の価格差には2倍以上の開きがある。 牛肉の消費量(一人当たり、年間)はデンマーク19kgに対しギリシャ22 kgと両者ともEU平均(21kg)に近いのとは対照的である。 <豚肉>デンマークの150に対しギリシャは72と、牛肉と同じ傾向となって いる。しかし消費量はそれぞれ63kg、23kgと大きな格差が見られる。 <乳製品(バターを除き、卵を含む)> 全般的に食肉ほど加盟国の大きな格差は見られない。最も高いのがデンマークの 121、次いでベルギーの114で、最も安いのはポルトガルの83となってい る。 <牛乳(全脂肪乳、または脱脂乳)> 最も高い国がイタリアの119、ギリシャの118で、最も安いのはポルトガル の86である。フランスも117と高い。 <卵>デンマークの165に対して、ポルトガルは64とかなりの格差が生じて いる。しかし、消費量はデンマークが16kgと加盟国内で最も多く、反対にポ ルトガルは9kgと最も少ない。 <バター>スペインが163、イギリスが80となっている。スペインは加盟国 の中で最も消費量が少なく(1kg未満)、イギリスはEU平均をやや下回る4 kgとなっている。 このように、EUではデンマークが際だって食品価格が高く(137)、ヨー グルト、マーガリンなどの一部の乳製品を除いてすべての品目がEU平均を上回 っており、この他、北欧諸国の物価高が目立つ。 一方、ポルトガル(81)、ギリシャ(82)は一部の乳製品(バターを含む) などを除きほとんどの品目がEU平均を下回っている他、イギリスがこれらに次 いで84と、EU15カ国の中では食品価格が最も安い国の一つとなっている。 また、対象を周辺国も含めると、食品総合では、スイスが151と最も高く、 ポーランドが53と最も物価が安い国となる。
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