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豪州の肉用牛経営者、平均年齢は55歳


 【シドニー駐在員  石橋  隆  1月16日発】 豪州農業資源経済局(ABAR
E)によれば、豪州の肉用牛経営者の平均年齢は55歳と、基幹農業の中で最も
高齢化が進んでいる。また、肉用牛経営内でのコンピュータ普及率は、近年急速
に高まってきたものの、基幹農業の中で最も低く、その要因の一つとして経営者
の高齢化による対応の遅れを挙げている。

 ABAREによれば、肉用牛経営者の平均年齢は55歳に達しており、穀物経
営者の48歳、羊経営者の53歳を上回るなど、基幹農業の中で最も高齢化が進
んでいる。

 各年齢層別にみても、穀物や羊経営者は40〜50歳層の割合が最も高いのに
対し、肉用牛経営者は60〜75歳層が最も高くなっており、また、75歳以上
層も7%を占めている。

 また、肉用牛経営者の平均年齢を州別にみると、最も低いのはノーザンテリト
リーの48歳であり、これに対し最も高いのはビクトリア州の58歳となってい
る。豪州北部のノーザンテリトリーは、企業経営も多く1戸当たりの飼養規模が
7千頭と他州と比較して圧倒的に大きく、一方、ビクトリア州は230頭と最も
小さい。このような飼養規模、労働負担の違いが経営者の平均年齢にも反映して
いると考えられる。

 ABAREによれば、70年代後半の肉用牛経営者の平均年齢は50歳であっ
たが、80年代に高齢化が進み、90年代に入ってからは、ほぼ横ばいの状況が
続いており、その傾向は他の基幹農業も同様と報告している。

 一方、基幹農業別のコンピュータ普及率をみると、肉用牛農家は24%と全体
平均の31%を7ポイントも下回り、最も低い分野となっている。これについて
ABAREでは、肉用牛農家の中には比較的小規模な経営も多く含まれている点
や、また、経営者の高齢化からコンピュータへの対応が遅れている点などを挙げ
ている。
 
  基幹農業別の経営者の平均年齢

  項    目        肉牛経営  穀物経営   羊経営   羊/肉牛   穀物/畜産  全  体
  平均年齢(歳)     55      48      53      54       52      53
  25〜40歳(%) 12   26      12     5     14   14 
 40〜50    22   28   37   33    32   29
  50〜60    28   25   20   32    31   27
  60〜75    31   19   29   24    20   25
  75歳以上	   7    2    2    5     4    5

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