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【ブエノスアイレス駐在員 浅木 仁志 7月29日発】アルゼンチンの隣国ウルグアイ は、小国ながら牛肉生産が盛んで、98年は1,039万頭(97年は1,053万 頭)の牛が飼養されている。その内訳は、経産牛39%、1〜3歳の雄牛18%、 1歳以上の去勢牛7%、1歳以上の未経産牛16%、1歳未満の子牛19%となっ ている。 また、年間1人当たりの牛肉の消費量は、約62kg(98年)で世界最高水準で ある。 と畜頭数は、98年は183万頭であった。99年上半期のと畜頭数は84万頭 で、前年同期比で14%減少している。と畜を許可されている39の食肉加工業者 がと畜を行うが、上位10社が総と畜頭数の70%を占めている。と畜の内訳は、 去勢牛が54%、雌牛が42%である。去勢牛の平均枝肉重量は257kg(枝肉歩 留まり54%)である。 99年上半期の平均去勢牛枝肉価格と生体価格は、それぞれ1.76ドル(21 1円:1ドル120円)/kg、0.77(92円)/kgで、前年同期比でそれぞれ 10%、8%下回っている。 98年の牛肉(冷凍・冷蔵肉および加工肉)輸出量(枝肉ベース)は25万7千 トンで、輸出額(FOBベース)は約4億1千万ドル(492億円:単価1.60 ドル(192円)/kg)であり、前年比で、数量、価格ともそれぞれ4%、7%下 回っている。98年の牛肉輸出のうち冷凍牛肉が約14万トンで、輸出額は約2億 7百万ドル(248億円:単価1.48ドル(178円)/kg)、冷蔵牛肉が約9 万4千トンで、輸出額は約1億8千万ドル(216億円:単価1.91ドル(22 9円)/kg)である。主な輸出先はメルコスル諸国で、98年はブラジルに4万2 千トン(前年比18%減)、アルゼンチンに2万6千トン(前年比312%増)、 チリに1万7千トン(前年比72%増)輸出している。そのほか、米国に1万6千 トン、イスラエルに3万トン、EUでは、イギリスに1万2千トン、ドイツに6千 トン輸出している。 ウルグアイ国立食肉院(INAC)の食肉輸出統計によれば、99年上半期の牛 肉輸出量(枝肉ベース)は、11万5千トン、輸出額は1億6千5百万ドル(19 8億円:単価1.43ドル(172円)/kg)で、前年同期比の14万トン、単価 1.55ドル(186円)/kgを大きく下回る。 99年上半期の輸出量低下の原因は、通貨切り下げで輸出競争力を持ったブラジ ルへの輸出減少、牛群を再編し頭数、価格とも平均水準に回復しつつあるアルゼン チンへの輸出減少が大きい。しかし、国内牛肉価格は下がり気味で推移しており、 潜在輸出力はあるとみられている。 なお、ウルグアイから日本への牛肉輸出(冷凍・冷蔵肉および塩蔵肉を含む加工 肉:出荷製品ベース)は、93年、94年、95年にそれぞれ塩蔵肉を含む加工品 が275トン、46トン、69トンのみで、96、97年の実績はない。冷凍・冷 蔵肉について輸出解禁(97年10月)となった以降の98年に、冷凍肉を308 トン輸出している。
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